Project/Area Number |
23K16884
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 60070:Information security-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 秘密計算 / 秘密分散 / 秘匿検索 / 情報セキュリティ / 高速処理 / ユーザアクセス制御 / 個人情報保護 / 情報理論的安全性 |
Outline of Research at the Start |
モノのインターネットデバイスから収集したビッグデータの利活用には,データに含まれる個人情報の保護と統計計算の両立ができる技術が求められる.そこで,データ活用と個人情報保護の両立ができる秘密計算が注目されている.秘密計算とは,データを暗号化したままの状態でも演算をすることができる技術である.秘密計算を実現する手法として,(1)鍵を利用しデータを保護する暗号技術と,(2)鍵を利用せずデータを保護する秘密分散法に大別できる.本研究では,秘密分散と暗号技術の特徴を組み合わせて,両手法の長所を同時に実現できるより実用的な秘密計算を検討し,その応用である秘匿検索の確立について研究する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,秘密分散と暗号技術を組み合わせて,両手法の長所を活用し,より実用的な秘密計算の確立を目指し,その応用である秘匿検索法を実現する.しかし,これまでに研究してきた秘密計算法にいくつかの前提条件が必要,かつ,計算速度が従来方式よりも遅いという課題が残っている.よって,本年度の研究では,提案してきた秘密計算法の最適化を行い,より高速に実現できる方法を検討する.また,秘密計算を実現するために必要となる前提条件の1つである,攻撃者が知らない乱数の生成という条件を緩和する方法を検討した.本年度の主な成果は以下のとおりである. (1) 秘密計算の処理を事前処理と秘密計算(オンラインとも呼ばれる)計算に分けて,乱数の生成を含む,入力に依存しない計算を事前に行う方法を導入し,秘密計算段階において発生する計算及び通信量を最低限にすることで,高速な秘密計算法を実現した. (2) 秘密計算の応用である秘匿検索を想定し,攻撃者が知らない乱数の安全な生成方法を検討した.秘匿検索のような,秘密情報のオーナが信頼できるという応用においては,この条件を簡単に実現できることを示した.また,その拡張として,ユーザのアクセス制御も実現できる方法を提案した. (3) これまで提案してきた,分散処理におけるデータサイズが膨大という問題点を解決するために,ランプ型秘密分散法と組み合わせた情報理論的安全性を実現できる秘密分散法を提案した.これにより,必要となる記憶容量を大幅に減らすことができる.この成果は,論文誌に投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・東京理科大学の岩村恵市教授との共同研究で,研究実績(1)のライブラリーの構築を行い,どの応用でも簡単に利用できるレベルまで達成した.この成果は,IEEE Accessの論文誌に掲載された. ・研究実績(2)において,秘密計算の基礎的な研究だけでなく,文書の秘匿検索を条件なしで実現できることを示し,実装評価までできた.さらに,国内研究会,国際会議で発表した. ・研究実績(1)に加えて,ランプ型秘密分散の特徴を生かした情報分散する方法を提案できた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究では,ある特定な応用を想定したもとで,攻撃者が知らない乱数を安全に生成できる方法を検討したが,今後は,より多くの応用に適用できるように,ブロックチェーンなどの技術と組み合わせた方法を再度検討する.さらに,本年度の研究成果では,決められたプロトコルに従って処理を行うsemi-honestな攻撃者のみを想定したが,今後は,プロトコルに従わないmaliciousな攻撃者に対しても安全な手法を検討する予定である.最後に,秘密計算の応用である秘匿検索に注目し,一致検索だけでなく,複数キーワードの同時検索などの機能を実現する研究を進める.また,上記の成果を論文としてまとめ,国内外学会発表,国際論文誌への投稿を行う.
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