Project/Area Number |
23K16951
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 61030:Intelligent informatics-related
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
前田 高志ニコラス 東京電機大学, システム デザイン 工学部, 准教授 (20848361)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 統計的因果推論 / 統計的因果探索 / 機械学習 / 因果推論 |
Outline of Research at the Start |
機械学習による予測技術は人間社会の様々な場面に応用されている。一方で、機械学習による予測技術が適用される現実環境は、多くの場合、動的なシステムを持つ。もし、環境変化によって、学習データの環境と異なる環境に機械学習が応用された場合、誤った判断を下し、大惨事を招く危険性がある。このため、環境変化に対応して自律的に予測方法を変更する技術が必要である。 本研究では、変化するデータから、因果構造や外生変数の分布の変化をいち早く捉え、捉えた因果構造から、次の予測手法を定める方法を研究する。これにより、状況の変化に対応した機械学習手法を構築することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
未観測共通原因をもつ時系列データに対する統計的因果探索の手法の構築を目的とし、研究を進めてきた。 従来の因果探索手法の多くは、観測されたデータに含まれる全ての変数が観測されていることを前提としている。しかし、現実の時系列データでは、観測されていない未知の共通原因が存在することが多く、そのような場合には従来手法では因果関係の推定に誤りが生じてしまう。 この問題に対処するため、本研究では、CAM-UVと呼ばれる手法を時系列データに拡張し、未観測共通原因が存在する場合でも因果関係を正しく推定できる新たな手法を考案した。CAM-UVは、データに含まれる変数間の因果関係が加法的であると仮定し、未観測共通原因の影響を考慮しながら因果構造を探索する手法である。本研究では、時系列データに特有の性質を考慮し、時間遅れを伴う因果関係にCAM-UVを適用できるように拡張した。提案手法の有効性を検証するため、シミュレーションデータと実データを用いた実験を行った。 本研究の成果は、"Use of Prior Knowledge to Discover Causal Additive Models with Unobserved Variables and its Application to Time Series Data"と題する論文にまとめ、プレプリントサーバーarXivで公開を行った。また、本論文は現在、査読付き学術誌に投稿中であり、査読者からのコメントを参考に内容の改善を進めている。 本研究の意義は、未観測共通原因が存在する時系列データからでも、変数間の因果関係を適切に推定できる点にある。提案手法は、様々な分野の時系列データ解析に応用可能であり、因果関係の推定を必要とする多くの問題に対して有用なツールとなることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の目標は、因果関数が線形であることを仮定した予測手法の開発であった。この目標に対して、因果関数が非線形である場合にも適用可能なCausal Additive Models with Unobserved Variables (CAM-UV)を時系列データに拡張し、未観測共通原因が存在する場合でも因果関係を正しく推定できる新たな手法を考案した。提案手法の有効性は、シミュレーションと実データを用いた実験により検証され、既存手法よりも高い精度で因果構造を推定できることが確認された。この成果は、当初の目標を超えて、より一般的な因果関数に対応できる手法の開発につながるものである。2024年度の目標は、因果関数が一般化加法モデルであることを仮定した予測手法の開発である。昨年度の研究で開発したCAM-UVは、加法モデルの特殊ケースとして一般化加法モデルを含んでいる。したがって、昨年度の成果は、2024年度の目標達成に直結するものと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、前年度に構築した手法を用いて、現実の予測問題に対応する手法を構築することである。特に、データの確率分布が変わった際にも対応できる予測手法を考える。前年度の手法を発展させ、ドメイン適応の問題に応用することで、より実用的な予測システムの構築を目指す。ドメイン適応では、異なるデータドメイン間で因果構造が不変であることを利用し、予測精度の向上を図る。リアルワールドデータを用いて、現実の環境変化に対応した手法を構築してその精度について検証を行うことを目指す。
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