Project/Area Number |
23K16961
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 61040:Soft computing-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
巳鼻 孝朋 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (30963277)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | レーザネットワーク / 光アクセラレータ / 同期現象 / 意思決定 |
Outline of Research at the Start |
情報通信と計算需要の爆発的増大に対し,プロセッサにおけるムーアの法則は終焉へと向かい従来技術の限界が見えてきている.そこで,光を媒体としたハードウェアである光アクセラレータの研究が進展している.申請者は同期現象による意思決定を研究してきたが,同期現象の状態判定は相互相関値を用いるためデータ量・計算量ともに非効率である.本研究では,ダイナミクスと同期状態の関係性の解明,瞬時同期状態メカニズムの数値計算による検証,実験による実証の3つの柱を目標に置き,レーザネットワークにおける瞬時同期状態判定メカニズムの創成を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
光を媒体としたハードウェアである光アクセラレータの研究が進展している.申請者は同期現象による意思決定を研究してきたが,他の光意思決定手法と比べ,同期現象の状態判定は相互相関値を用いるためデータ量・計算量ともに非効率である.本研究では,ダイナミクスと同期状態の関係性の解明,瞬時同期状態判定メカニズムの数値計算による検証,実験による実証の3つの柱を目標に置き,レーザネットワークにおける瞬時同期状態判定メカニズムの創成を目指す.本年度では,瞬時同期状態判定メカニズムの手法提案を行った.本光意思決定手法で用いている同期現象では,相互相関値と同様な波形を光周波数が示す.また,本手法の検討に先立ち,相互相関値と光周波数が光意思決定としての可制御性を持つことを確認した.しかしながら,光周波数は直接観測できないため,光ハイブリッドによる光周波数検波に着目した.ここで,一般には光カプラを用いたヘテロダイン検波の方が簡易であるが,検出後にフーリエ変換をする必要があり,これは計算量が相関値計算と変わらないため不採用とした.光ハイブリッドでは未知のレーザ光信号と既知のレーザ光信号による干渉を行うが,本研究では相互結合されたレーザの光信号を1つの光ハイブリッドで干渉させた.そして,位相から光周波数を算出することができた.相関値計算ではデータ量に応じた畳み込み演算が必要であったのに対し,光周波数算出は逆正接関数が最大の計算量となっているが,この計算量はデータ量に依存しない.したがって,相関値計算よりも大幅な削減を達成した.現在,この結果をまとめて,学術論文への投稿を行う予定である.また,異なる手法としてカプラによるヘテロダイン検波と近似計算を用いた手法を考案する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度では,光ハイブリッドを用いた瞬時同期状態判定メカニズムの手法提案を行った.光ハイブリッドでは本来,未知の信号と既知の信号をヘテロダイン検波することで周波数を検知するものであるが,動作理論的に2つの未知の信号を入れることで本来所望していた周波数差信号が取り扱えることが分かった. また,動作速度において理論的にも計算量の削減を達成し,実験システムでの実証を行ったところ定性的にも明確な差が生まれた.さらに実験による意思決定システムの実証を行いこの状態判定システムが動作することが示された.新たな手法を提案できたことは,本研究の3目標を達成している.また,より低コストに判定をする手法を考案しており,可能であれば,数値計算及び実験にて実証を行い,論文化へと至る予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,光ハイブリッドを用いた手法についての公刊論文化を進めるとともに,さらなる手法提案を進める.光ハイブリッドを用いた手法ではシステムが高価なため,カプラを用いた安価な手法提案が必要であると考えている.一方で,計算量は抑える必要があるため,近似計算を用いた新手法の提案が期待される.特に理論提案と数値計算が終われば,本年度までに実験まで行えると考えている.
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