Project/Area Number |
23K16981
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 61060:Kansei informatics-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
徐 キョウ哲 弘前大学, 教育推進機構, 助教 (20886684)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 眼球運動 / 性格特性 / 認知モデル / 人間行動 / 表情認知 / 認知行動 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、意識的と無意識的な眼球運動で得られる情報処理を実験条件の制御で分離し、それぞれの効果を明確にすることを目的とする。その研究結果で意識的と無意識的に行う情報処理が認知メカニズムにおいて果たす普遍的な役割を解明できると考える。本研究で得られる成果は、視覚の視点からの認知メカニズムの解明に加え、意識的と無意識的な眼球運動を分けるという新しい解析方法を提案する。また、計測可能な眼球運動データと計測困難な人の性格特性を結びつけることで人間の性格統計と認知メカニズムの関係の研究にも新しい切り口を提供できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には、研究に直接関連するパイロット研究と行動実験を行いました。 パイロット研究では、ランドマークで表現された顔表情の動画に対する認知度を検証する分析を実施しました。本実験で使用予定のランドマークで表現された顔表情の動画を用いて、参加者に表情判断の実験を行ったところ、ポジティブな表情に対してはチャンスレベル以上の正解率を示したものの、ネガティブな表情に対しては識別が困難であることが確認されました。また、可視範囲を限定した条件下では、カーソルの移動と参加者の性格特性との間に相関が見られました。 行動実験では、意識的な眼球運動と無意識的な眼球運動を区別して検証するため、顔の印象評定実験を実施しました。その結果、可視範囲を制限しない条件と制限した条件での眼球運動とカーソル運動に明確な差が見られました。制限しない場合は顔の中央に焦点が集まりましたが、制限した場合は顔の各部位をきちんと観察する眼球運動が確認できました。この結果から、可視範囲が制限されていない場合、無意識的な眼球運動と意識的な眼球運動が混在していることが明らかになりました。また、範囲制限という実験手法を用いることで、意識的な眼球運動を抽出できることも確認されました。 さらに、複数のモデルを比較した結果、印象評定課題を研究目的とする場合、無意識的な眼球運動と意識的な眼球運動を含むデータを説明変数とする際に高い推定精度を示すことが分かりました。これは、研究目的に応じて異なる種類の眼球運動を使い分けることの重要性を示唆しています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況としては、二つの研究目的に対して順調に検証が進んでいます。無意識と意識的な眼球運動を分離する手法は、行動実験を通じて検証することができました。さらに、無意識と意識的な眼球運動が実際に異なる課題においても、行動の分布が類似していることが確認されました。無意識と意識的な眼球運動が性格特性に影響を受けていることも明らかになりました。また、本実験で使用予定のランドマークで表現された顔表情の動画の認知度も検証することができました。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進策については、来年度も現在の進捗に沿って、本実験の実施と結果の解析に注力したいと考えています。また、これまでの実験結果から得られた反省点を踏まえ、ランドマークで表現された表情動画だけでなく、元の表情動画を用いた評価実験も行う予定です。これは、実験の難易度が研究目的に不必要な影響を及ぼすことを排除し、より本質的な眼球運動の影響を検証するためです。さらに、動的な眼球運動(時系列データ)と性格特性の関係性、およびそれらが印象形成や意思決定に与える影響についても、今後検討を深めていく予定です。
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