Project/Area Number |
23K17021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 62040:Entertainment and game informatics-related
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
HSUEH ChuHsuan 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (30847497)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 指導碁 / 接待碁 / 布石 / 問題集分析 / 不正解手 / 自動生成 / 手順類推 / シミュレーテッドアニーリング / 問題生成 / 学習支援 / 要望 / 初中級者 / 囲碁 |
Outline of Research at the Start |
人工知能(AI)技術の発展により,多くのゲームではプロのプレイヤを上回る強さを持つAIプレイヤを作る事が可能である.しかし,単に強いAIプレイヤだと,人間プレイヤの技術を上達させるためのツールとして適さない場合がある.人間プレイヤの技術上達支援の一環として,本研究では練習問題の生成に着目し,囲碁の初中級者の要望に応じた問題を自動生成することを目指す.要望については,候補手の提示と,特定の難易度や種類(布石や手筋),特定の問題に似た問題,あるいはこれらの組み合わせを考えている.問題生成にあたって強いAIプレイヤを活かすための方法論を確立し,要望に応じた問題を効率よく作る技術を研究する.
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Outline of Annual Research Achievements |
囲碁を含む多くのゲームにおいて,AIプレイヤの強さはトップの人間プレイヤを上回っている.これら強いAIプレイヤを活用して人間プレイヤを楽しませる・教える研究が注目を集めている.本研究の究極的な目的は,囲碁の初中級者に対し,彼らの要望(難易度やヒント,特定の概念・戦法など)に応じて練習問題を生成することである. 囲碁の問題は対局の進行段階によって「布石」「定石」「手筋」「詰碁」「ヨセ」に大別でき,令和5年度ではまず布石に着目した.問題の自動生成には(1)局面の生成,(2)正解手の選定,(3)不正解手の選定,(4)問題文の生成,(5)解説の生成という要素が必要だと考え,(1)から(3)までを当面の目標とした.良い問題の特徴を調べるために市販の布石問題集を,ヒューリスティック特徴量と強い囲碁AIから得た特徴量をもとに分析し,不正解手が選ばれる条件を明らかにした.また,調査結果に基づいて不正解手の自動生成を行い,一部の問題において,意図通りの不正解手を生成することに成功した. 強い囲碁AIを用いて問題集を分析する際に課題を1つ発見した.具体的には分析した問題集の局面では手順の情報がなく,石の配置のみが示されているが,用いた囲碁AIの1つには局面の直前8手の局面が必要である.そこで石の配置から,シミュレーテッドアニーリングという最適化手法を用いて手順を類推することを試みた.プロ棋士の棋譜とアマチュア棋士の棋譜を対象とした実験により,提案手法が,時に人間の打つ手順よりも自然な手順を生成することを示した. また,初中級者には自分の要望がはっきりしない場合もある.この場合,プレイヤの代わりに要望を提案できるAI教師がいれば,学習の意欲と効率を向上できると考えている.そのため,人間指導者による指導碁を参考にし,相手の棋力に応じて対局(接待碁)を行って対局後に悪手や弱点を指摘することを,AIにやらせる研究も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では1年目は候補手(正解手と不正解手両方)の生成を行う予定であった.不正解手のみを行ったことからするとやや遅れているが,予想外の課題と解決(手順類推)も考えると,手順類推と不正解手の自動生成とも論文を発表したので,おおむね順調に進展している. また,問題難易度の推定も1年目で行う予定であったが,参考した市販問題集では難易度を明記した問題が少なく,推定モデルができていない.一方で,当初は初中級者が要望を提出することを想定したが,彼らの代わりに要望を提案することは有益であると考え,そのための接待碁や悪手分析の研究を行って論文も発表した.総合的に見るとおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
布石問題において不正解手の自動生成の結果をさらに発展させ,正解手と問題局面の自動生成を行う.また,布石以外の対局段階(つまり定石,手筋,詰碁,ヨセ)の問題を調べる.特に布石問題では碁盤全体を使うのに対して,布石以外の問題では碁盤の一部のみを使う場合が多く,囲碁AIにどう分析させるかという課題がある.想定した要望に対局段階以外にも「攻め」「守り」「コウ」「シチョウ」など,特定の方針や概念があり,これらの問題も調べる.接待碁や悪手分析の研究を発展させ,初中級者の代わりに要望を提案してあげる手法の検討を行う予定である.
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