Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
本研究は、電離放射線が誘発するDNA損傷およびミトコンドリア損傷に起因する、ATP加水分解の亢進と、ミトコンドリア脱共役による温度およびpHの経時変化、そしてその生物学的意義の解明、さらに放射線治療への応用を目指す研究である。本研究の特色は、電離放射線による細胞内の温度、pHという物理・化学的パラメーターへの影響に着目し、その計測のため量子センサーの一種である蛍光ナノダイヤモンドを用い、量子科学技術と放射線影響研究を融合した点である。本研究で得られる知見は、放射線を含む外部ストレスに対する温度、pH変化を介した細胞恒常性維持機構の解明に貢献、がん放射線治療へ応用できると期待される。