Project/Area Number |
23K17045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 63030:Chemical substance influence on environment-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
森山 章弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (60810140)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | カーボンナノチューブ / in vitro試験 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)の安全性評価のため、MWCNT分散液の特性評価と分子生物学的アプローチから、分散状態が細胞毒性に与える影響とその分子基盤を明らかにする。現在MWCNTの細胞毒性試験は数多く報告されているが、調製には様々な分散剤が使用されている。分散剤の違いによっても細胞への影響が異なる可能性がある。そこで、様々な分散剤で調製したMWCNT溶液の特性評価と合わせて、細胞内への取り込みや遺伝子発現などの観点から、MWCNT分散液の物理化学的特性と細胞毒性の関係を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,多層カーボンナノチューブ(MWCNT)の安全性評価のため, MWCNTの分散剤による物理化学的特性の変化と細胞毒性に与える影響およびその分子メカニズムを調査することを目的とした。これまでMWCNTの分散に広く用いられてきた界面活性剤やタンパク質などの生体内分子に加え, 分散剤としての報告がない低毒性と考えられる低分子化合物を中心に複数の分散剤を試し, MWCNTの安定分散を達成した。これらの分散剤および調製MWCNT溶液について, 本研究では以下の項目について調査した。 1)分散剤の終濃度が0.1%となるように超音波装置で分散されたMWCNT溶液を動的光散乱法で評価したところ, 同一のMWCNT製品でも分散剤を変えることにより物理化学特性 (粒子径, ゼータ電位など) が変化することが明らかになった。 2)MWCNTの調製に用いた分散剤のみを細胞へ曝露し, その細胞影響を評価した。曝露試験にはヒト単球細胞株THP-1から分化誘導したマクロファージを用いた。その結果, いくつかの分散剤で終濃度0.01%において, ミトコンドリア活性の低下と細胞膜損傷といった一般的な細胞毒性とされる現象が確認された。 3)分散剤のみで細胞影響のなかった分散剤を用いてMWCNTを分散し, 分化誘導したTHP-1細胞へ曝露した。24時間後の細胞内貪食量をフローサイトメトリー法を用いて定量し, 使用した分散剤によって細胞内貪食量が変化することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り, 複数の分散剤を用いて安定的なMWCNT調製液を作成し, マクロファージ様細胞への曝露試験を実施した。一般的な細胞毒性や細胞内への取り込み量については定量的にデータを収集することができており, 研究進捗はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでは研究実施計画に沿って着実に進んでおり,次年度以降も計画通りに研究を進める。今後の研究推進方策として,各種分散剤で調製したMWCNT溶液を曝露されたあとの細胞応答を調査するため遺伝子発現解析に取り組む。
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