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樹木の標高適応に地下部微生物群集が果たす役割の解明

Research Project

Project/Area Number 23K17070
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 64040:Social-ecological systems-related
Research InstitutionForest Research and Management Organization

Principal Investigator

執行 宣彦  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (70866110)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Keywords標高勾配 / 樹木実生 / 落葉分解 / ホームフィールド・アドヴァンテージ / 土壌微生物
Outline of Research at the Start

樹木は、動くことができないのにもかかわらず、様々な環境に適応し繁栄を遂げている。しかし、樹木自身の形態の変化だけでは窒素不足などに対処できるはずはなく、樹木の適応の幅の広さを説明できない。本研究では「樹木は落葉・土壌・根の微生物群集の窒素代謝と連携することで、さまざまな環境に適応している」という仮説を検証するために、樹木実生と土壌の操作試験により、植物と微生物のパフォーマンスの変化を調べ、樹木の標高適応が微生物との連携によってもたらされるかどうかを解明する。本研究では、仮説の適否にかかわらず、森林生態系の植物-土壌間フィードバックというより大きな理論構築に貢献する成果を発信できる。

Outline of Annual Research Achievements

樹木は種によって分布域が大きく異なり、様々な環境に対して適応して生育している。しかし、落葉・土壌・根などの地下部の微生物群集が樹木の環境適応にどのような役割を担っているかは解明されていない。本研究では、標高で異なる生態を示すダケカンバをモデルとした野外及び室内実験により、植物と微生物のパフォーマンスの変化を調べ、樹木の標高適応が微生物との連携によってもたらされるかどうかを検証する。具体的には、以下の2つの目標を達成する。(1)各標高で特有な腐生菌群集による落葉分解の促進や窒素代謝関連の微生物群集による窒素無機化特性の変化があるかどうかを明らかにする。(2)実生と土壌の相互移植試験を行い、各集団で特有な外生菌根菌群集による効率的な窒素獲得と実生の生残や成長の向上が起きているかどうかを明らかにする。
令和5年度は、標高間でのリターバッグの相互移植研究を取りまとめ、樹木の生育地の土壌に特有な微生物叢が落葉を効率的に分解することを明らかにした。この結果は、森林の炭素動態に土壌微生物の構成の特有性が重要な役割を果たしていることを示す新しい知見であり、樹木と土壌のつながりを通じた落葉-土壌微生物間の適応的な関係が、落葉分解を制御する重要な要素であることを示している。また、当初の計画通り、山地帯と森林限界付近のダケカンバの種子を採取し、無菌根苗を作成する手法を確立した。無菌根苗は、30%過酸化水素水での殺菌時間を10分とすることで発芽率を下げることなく効率的に作成できることがわかった。また、水捌けの悪い環境はダケカンバの生育に悪影響を及ぼすようであり、マヨビン等を使用した閉鎖的な環境での生育は向かず、ポット等を使用した開放系での生育を行う必要があることがわかった。この手法を使用し、次年度以降、実生と土壌の相互移植試験を展開していく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和5年度は、(1)の目標達成のため落葉と土壌を採取し土壌を封入した入れ子状のリターバッグ試験を開始することと、(2)の目標達成のためダケカンバ種子の採取と無菌根苗を作成する手法を確立することを計画していた。前者については、入れ子状のリターバッグの作成方法自体に検討を要することが分かったため、試験の開始に遅れが生じている。しかし、過去に行った標高間でのリターバッグの相互移植研究を取りまとめることができた。この研究では、樹木の生育地の土壌に特有な微生物叢が、それぞれの樹種の落葉を効率的に分解することを明らかにしており、これは本課題の達成に大きく貢献する想定以上の進展である。後者については順調に進展しており、山地帯と森林限界付近のダケカンバの種子を採取し、無菌根苗を作成する手法を確立することができた。以上のことから、研究全体としてはおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

入れ子状のリターバッグの作成方法を検討し、リターバッグ試験を開始する。また、令和5年度に確立した手法を用いて、ダケカンバ実生と土壌の産地を組み合わせたポットを室内環境で生育させる。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Diversity profiling of soil bacterial and fungal communities in the Ogasawara (Bonin) Islands, Japan2023

    • Author(s)
      Shigyo Nobuhiko、Shichi Koji、Sugai Kyoko、Setsuko Suzuki
    • Journal Title

      Microbiology Resource Announcements

      Volume: 12 Issue: 10 Pages: 1-4

    • DOI

      10.1128/mra.00644-23

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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