Project/Area Number |
23K17081
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 64050:Sound material-cycle social systems-related
|
Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
白石 智宙 広島修道大学, 人間環境学部, 助教 (40907896)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 木質バイオマス / 林業 / 木材産業 / 地域経済 |
Outline of Research at the Start |
日本における木質バイオマス発電所の実現条件研究において、燃料材の調達が焦点となっている。先行研究は、その集材圏における資源賦存量の多寡に焦点を当ててきた。それに対して本研究は、実際に発電所が燃料材を調達するプロセスで生じる持続可能性の課題に取り組むものである。特に国内の未利用材を用いる発電所の燃料材調達フローには、複数のアクターが参画することが避けられない。そこで、発電所が採用した木質バイオマス資源・燃料材の集材方式と、その買取価格設定、需給調整、および他産業との競合対応において、どのような課題認識と解決方法があるのかを明らかにすることが本研究の目的である。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、複数のアクターが参画する木質バイオマス発電事業が持続的な燃料材調達を実現させるための条件を明らかにするという研究目的を達成するために、研究実施計画において初年度に計画していた個別事業調査と発電所全数調査を実施した。 まず個別事業調査について、立地地域が林業地域であるのか木材産業地域であるのかに応じて先行研究が整理している3つの集材方法(相対方式、土場方式、協議会方式)との組み合わせから得られる計6つの典型事例のうち、2つの事例について研究成果が得られた。1つは木材産業地域における協議会方式の事例研究であり、研究成果を査読付論文として投稿、受理され、日本地域経済学会の学会誌である『地域経済学研究』への掲載が決定した。もう1つは林業地域における土場方式の事例研究である。その成果は査読付論文として投稿、受理され、立教大学経済学研究会の学術誌である『立教経済学研究』の77巻3号に掲載され、公刊された。 林業が盛んであるか木材産業が盛んであるかという異なる地域経済の状況下で、その集材方式が採用された根拠やそこでの買取価格設定、需給調整の仕組み、他産業との競合への対応の特徴と相違点を明らかにすることができた。これは先行研究では明らかにされていない点であり、加えて全数調査に対しても新たな研究視角を提供した。 続いて全数調査について、研究実施計画で述べている調査票を送付しての全数調査の前段階として、まずは各種公表データを活用しての全数調査に取り組んだ。日本の木質バイオマス発電所の全数調査はこれまでなされたことはなく、公表データではあるが膨大な作業量を必要とする本研究の成果からは先行研究にはない多くの知見を明らかにすることができた。その研究成果は日本地域経済学会の第35回大会において報告し、査読付論文としての投稿を準備している。なお調査票での全数調査は来年度に着手する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進捗はおおむね順調である。まず研究実施計画において初年度に計画していた個別事業調査と発電所全数調査を実施し、それぞれについて研究成果を得ることができた。ただし個別事業調査については、典型6事例と仮定しているもののうち2つを終えたが、4事例が未着手である。また全数調査について、研究実施計画では初年度より調査票による全数調査を実施すると述べたが、調査票によって調査すべき項目の選定等を目的とした前段階の調査として、今年度は公表データを活用した全数調査を実施した。そのため、調査票による全数調査は来年度に持ち越している。自己点検による以上の理由から、本研究課題の進捗はおおむね順調であると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は、引き続き研究実施計画の通りに研究を遂行するというものである。ただし、当初は初年度に実施予定であった調査票による全数調査を来年度に実施するという変更は伴っている。またそれと並行して、最終年度となる来年度は、残りの4事例の個別調査を実施する計画となっている。しかし1つの個別事例調査には当初想定していた以上の時間がかかることが判明したため、補助事業期間の延長も視野に入れながらも、着実に個別事例研究を実施していく必要がある。
|