Project/Area Number |
23K17088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 64060:Environmental policy and social systems-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新田 将之 新潟大学, 佐渡自然共生科学センター, 准教授 (00843781)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 水環境整備 / 生息環境評価 / 親水利用 / 担い手 / 地域づくり / システム管理 / 農業水利施設 / 水辺 / 人間発達スケール / 維持管理 |
Outline of Research at the Start |
地域の水辺が有する多面的機能の保全を図る水環境整備が住民参画のもと各地で実施され、農村振興が図られてきた。しかし、担い手の世代交代期を迎えた先発地域では、担い手不足を基因に水辺の利用・管理状況が二極化している。この課題解決に向けて、本研究では、住民の意識醸成プロセスと行動喚起を促す社会的な仕掛けを解明し、その効果を検証する。水環境整備の先発地域を対象に、人間発達スケールの視点からみた担い手意識の醸成プロセスを解明し、管理行動の契機とその規定要素を解明する。これら結果の地域間比較によって仕掛けを抽出し、その効果を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今後の地域間比較に向けて、初年度は、水環境整備地区の現状を、水生生物の生息環境,地域住民による利用状況及び管理状況の3点から評価することを試みた。農業水利施設高度利用事業が先駆的に導入された地区を対象に分析した結果、開水路網の保全及び分水工等の既存の水利システムの保全に基づき、砂礫の投入等を行ったことが、利用の維持に寄与していたことが分かった。また、用水路区間に比べて、排水路区間の方が、利用ポテンシャルが高い傾向にあることが分かった。一方で、河川区間においては、利用と生息環境の評価結果に有意な傾向を見出すことが出来なかった。この要因として、調査対象スケールのギャップが影響していることが挙げられた。 また、以上のような現在の環境形成に寄与した水環境整備を実施し、これによって地域振興を目指した地域づくりの変遷過程を文献調査・ヒアリング調査により整理・分析することで、担い手の関与契機が、組織への参加、計画への参加、活動への参加、外部主体との連携にあったことが示唆された。そして、これらの担い手関与契機を内包した地域づくりの仕組み(地域づくりという活動は、意識、連携、組織、計画、規定という5つの要素間との相互作用系のもと盛衰が生じている)を提示した。 以上の結果に加えて、水環境整備地区の小学生及び保護者世代に対してアンケート調査を実施した。また地域住民を対象とした維持管理に対する意識調査を実施した。今後、このアンケート結果の解析を通して、人間発達スケールの視点からみた担い手意識の醸成プロセスを検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、課題群の検討順位が前後したものの、5課題のうち3課題「成人期の住民が維持管理活動に初参加したきっかけとその規定要素の解明」「三世代調査にみる水辺経験の変遷と場所愛着への影響の解明」「維持管理組織代表者が有する生涯経験の整理と意識の変遷」に着手し、これらの基礎データを収集することができたとともに、担い手意識が管理行動へと展開する際の契機とその規定要素を分析することができ、これをおおむね達成することができたため。また当初は予定していなかった「水辺の利用管理状況の定量的評価」を各種管理団体との協力により実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、2023年度に収集した2つ(小学校単位及び集落単位)のアンケートデータの分析を通して、「三世代調査にみる水辺経験の変遷と場所愛着への影響の解明」及び「学童期の水辺経験が成人・高齢期における担い手意識に与える影響の定量的解明」を目指す。さらに、評価グリッド法を活用した半構造化インタビューによって、具体的な仕掛けの解明を目指す。 以上の研究遂行に際しては、これまでの研究予定地に加えて、整備と振興の統合的推進を目指している農業遺産認定地域が適地と判断し、対象地として加えて検討を重ねていくこととした。
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