Iran's post-election adjudication and its mechanism of protest repression
Project/Area Number |
23K17094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
千坂 知世 名古屋商科大学, 経済学部, 講師 (10966021)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | イラン / 国会選挙 / 野党 / 抗議運動 / 選挙紛争処理 / 国会選挙管理 / 選挙不正 / デモ |
Outline of Research at the Start |
イランでは、1979年のイスラーム革命以降、11回の国会選挙が4年に一度行われてきた。いずれも保守派に有利で改革派に不利な不平等選挙として知られている。しかし、他の権威主義国と比べて不平等選挙に対する大規模な抗議デモが2009年の大統領選挙を除いてほとんど発生してこなかった。本研究では、国会選挙後の紛争処理過程に着目し、なぜイランでは不平等選挙に対する抗議デモが発生しにくいのかを明らかにする。具体的には、イランでは選挙を実施する主体と紛争処理を担当する主体が独立しているために改革派の抗議運動が抑制されやすいという仮説を、現地調査を通して収集するデータ分析によって検証していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1979年以降のイランでは、国会選挙において体制指導部が様々な不正を行ってきたにもかかわらず、なぜ大規模な反体制抗議運動が発生しなかったのか、という問いを検討するものである。それによって権威主義体制における抗議デモ発生抑制のメカニズムの一端を明らかにする。 初年度となる2023年度前期はスタンフォード大学での在外研究中に従事した。Iranian Studies所長Abbas Milani教授の助言を得て、附属Green LibraryやHoover Library所蔵のアーカイブ調査を行った。それによって、本研究はもともとイスラーム革命以降のイラン国会選挙を扱う予定であったが、革命前の王制期に活発であった野党の編纂した書籍にもアクセスすることができた。そこでは革命後と同様に、体制指導部(当時は王制)による野党の取り込みと排除が繰り返されており、地理的にはイラン北部など中央からの独立意識の強い選挙区において不正選挙に抗議するデモが頻繁に発生していたことが分かった。他方、デモは選挙区レベルにとどまり首都に波及したケースは、入手できた1950~60年代の資料を分析した限り、見受けられなかった。 なお1950年~60年代のイラン国会選挙は外国の干渉のもと実施されていた点が明らかになった。冷戦中、米国が反共独裁を支援していたことは周知であるが、イランの選挙期間において米国がコンタクトをとっていたのは与党ではなく穏健野党であることが分かった。この発見は論文にまとめInternational Journal of Middle East Studiesに投稿予定である。 2023年度後期は、全国規模の選挙不正に対する抗議デモが抑制されるメカニズムについては、軍の配置、経済的な利益分配、国会選挙制度の特徴などを中心に検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、スタンフォード大学において現地(イラン)でも入手し難い王制時代のペルシャ語資料を豊富に収集することができた。これは本研究の対象とする野党あるいは反体制グループの出版活動がイランでは厳しく制限されている一方、逆に、アメリカでは反体制思想を理由に祖国を離れた亡命イラン人コミュニティが充実しているからだと考えられる。 他方、イスラーム革命後の野党勢力の選挙動向や抗議運動についての資料はまだ十分に入手でいていなので、次年度以降ペルシャ語のオンラインニュースの収集やイラン現地調査を行い、データを補う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
・2023年度に収集したペルシャ語の書籍Hadis-ye Moqavematや新聞Keyhanの読解を継続する。 ・イラン現地調査を2週間ほど行い、過去12回のイラン国会選挙における野党(改革派)の動向と体制の対応が分かる新聞、雑誌、書籍を収集する。野党の動向に関しては、イラン国立図書館に所蔵されている改革派系の新聞や雑誌を中心に集める予定である。体制の対応に関しては、政府系機関の発行する法制度に関する解説書を中心に参照する。 ・今後、これらの成果をまとめてイラン国会選挙に関する英語での単著(本)の出版を予定している。そのため欧米で開催されるBook conferenceへの出席も検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)