Project/Area Number |
23K17151
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80040:Quantum beam science-related
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
鈴木 研人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 助教 (80764878)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | 高温超伝導磁石 / 加速器 / 磁場精度 / 磁束跳躍 / 遮蔽電流 |
Outline of Research at the Start |
次世代加速器において20 T級の高磁場を実現するためには,高温超伝導体(HTS)を用いた超伝導電磁石が必要不可欠であり、10の-4乗程の磁場精度が必須となる。本研究では、HTSテープ線材「ReBCO」を用いたcosθ型モデル磁石を用いて、「遮蔽電流」と「磁束跳躍」がもたらす磁場分布ダイナミクスを回転コイル測定によって評価し、シンクロトロン応用を想定したビーム光学に対する影響を検証する。ここで得られた情報に加えて、小型ホール素子による磁気センシングによって、磁束跳躍の発生条件・発生箇所を明らかにすることで、加速器応用に求められる運転条件やReBCO磁石デザインを追求する。
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Outline of Annual Research Achievements |
次世代加速器において20T級の高磁場を実現するためには、高温超伝導体(HTS)を用いた超伝導電磁石が不可欠であるが、10の-4乗(=1 unit)オーダーの磁場精度を要する。本研究では、4 mm幅のHTSテープ導体「ReBCO」で製作したcos-theta型モデル磁石を用い、「遮蔽電流」と「磁束跳躍」がもたらす磁場分布の動的な変動を定量的に求め、シンクロトロン応用を前提としたビーム光学への影響を検証するとともに、加速器応用に向けて必要となる運転条件の洗い出しや磁石設計へのフィードバックを目的とする。 本研究の遂行にあたっては、過渡的な磁場動的変動を捉えるための磁気センシングデバイスの開発が必須であるが、安定なHTS磁石の試験運用を行う上で「クエンチ保護」技術の確立も重要である。そのため、磁気センシングデバイス本体の設計・開発と並行して、クエンチ検出回路開発及び励磁試験回路の製作を進めた。 磁石の励磁試験回路は保護抵抗と遮断器、さらにはField-programmable Gate Array (FPGA)を活用したクエンチ検出回路を統合し、安定的な試験運用を実現する事ができた。 一方、磁気センシングデバイスの製作においては今回新たにホール素子を用いたプローブ開発を行う予定であったが、当初使用予定であった小型ホール素子の室温下での振る舞いが不安定であることが判明したため、ホール素子を再選定する必要があった。そのため、今後はMRI磁石を用いた室温下でのホール素子の性能評価・校正を進めた後に磁気センシングデバイスの開発を行い、データ収集を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は1)HTS磁石の励磁試験開発 、2)GaAsホール素子を用いた動的磁場分布測定デバイスの開発を実施した。 1)に関しては既存パイポーラ電流電源を組み込み、微小な磁場変動との相関を調べるために高精度な電流読み出し装置(DCCT)の導入を進めた他、FPGAを活用したクエンチ検出回路の構築並びに動作確認を行い、クエンチ検出後10 ms以内の遮断を可能にし、安定な試験運用への体制を整える事ができた。2)に関しては動的磁場変動測定のためのデータ収集システムの準備は整えたものの、今回開発する磁気センシングデバイスに使用予定であったホール素子のホール電圧に不安定な挙動(オフセット変動)が見られた事から、磁気センシングデバイスへの適用が難しいと判断した。そのため、開発を一旦中断している事もあり進捗状況はやや遅れている。次年度では新たに選定した小型ホール素子(GaAs)の性能評価と校正曲線の取得を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず、新たに導入した小型ホール素子(GaAs)の特性評価のため当センターが保有するMRI磁石を用いた性能評価と校正曲線の取得を試みる。ここでは最大1.5 T程度まで磁場強度を上げた試験を行う予定である。新しいホール素子の性能に問題がないと判明した場合は、HTS磁石の室温ボアに挿入するGFRP製プローブ(調達済)を加工し、当該ホール素子を複数個組み込んだ磁気センシングデバイスの開発を進める。仮に選定したホール素子が期待通りの性能を発揮しない場合は、過去に開発した高速回転コイルシステムを主要デバイスとして用いる。いずれの場合でもHTS磁石の励磁電流を変えながら動的な磁場分布のデータ取得と解析を進めていく予定である。
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