Project/Area Number |
23K17165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 90020:Library and information science, humanistic and social informatics-related
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Research Institution | Gunma Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
鈴木 親彦 群馬県立女子大学, 文学部, 准教授 (60803434)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 人文学資料マイクロコンテンツ化 / 人文情報学 / 地域文化資源 / デジタルアーカイブ / データ構造化 / オープンデータ / 人文学資料マイクロコンテンツ / 時空間情報 / 歴史資料 / 地域資料 |
Outline of Research at the Start |
近年増加著しいデジタル化された人文学資料資料に対し、資料横断的に部分を一定の粒度で切り取り研究活用するのが「人文学資料マイクロコンテンツ化」である。この手法を「地域」に関係する資料・文化資源に応用し、取り出した部分に時空間情報のメタデータを付与することで、情報空間で地域文化資源を横断的に再構築できる。歴史的状況の復元を目指すのみでなく、様々な研究分野で活用できるマイクロコンテンツ化が可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
人文学資料マイクロコンテンツ化「手法」について、より幅広い対象へマイクロコンテンツ化の有用性を確認する点に関しては、2つの研究プロジェクトにおいて手法の全体および一部が採用されることで、その展開を進めることができた。さらに、近年進展が著しい人文学資料・文化財のデジタルアーカイブ構築と、マイクロコンテンツ化の基本軸となる学問領域である人文情報学の関係について、『共振するデジタル人文学とデジタルアーカイブ』(勉誠出版)を編著として出版し、最新の研究情報をまとめたとともに、デジタルアーカイブ全体・人文情報学全体への展開をまとめることができた。本書はデジタルアーカイブ学会学会賞・学術賞(著書)を受賞している。 具体的な研究実践としての地域資料のマイクロコンテンツ化については、時空間情報の典拠として、従来から利用してきたプラットフォームGeoLODに加え、人文学オープンデータ共同利用センターが提供する、「『日本歴史地名大系』地名項目データセット」の利用について検討し、特に群馬県域の地域文化資源での活用について具体的な検討に入った。ただし当初予定していた、具体的な資料への構造化データ付与に関しては、検討段階にとどまっている。 本科研のもととなった「人文学資料マイクロコンテンツ化の実践研究 -江戸の都市空間再構築を通して-」において公開していた、江戸の観光に関するマイクロコンテンツについては、公開に利用しているedomiにおいて、現代風過去地図「れきちず」が採用されることでUI・研究の利便性ともに向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人文学資料マイクロコンテンツ化「手法」については、すでに普及段階に進んでおり、当初の予定を超えた進捗を見せている。自身の研究に利用するだけでなく、東京藝術大学・国文学研究資料館・東京大学等で解説を実施した。また、具体的なプロジェクトとして「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画 国際共同研究『麻布一本松狩野家資料に関する画題の国際化のための基盤研究』」において、IIIF Curation Platformの利用を軸に手法が採用され、人文学資料のマイクロコンテンツ化が進んでいる。また、マイクロコンテンツ化の手法の一部は「東京大学ヒューマニティーズセンター協働研究『顔』は何を語るのか──過去から未来へ」においても活用されている。より幅広い観点からデジタルアーカイブ・人文情報学両面への展開を図った編著『共振するデジタル人文学とデジタルアーカイブ』の出版も行った。 具体的な地域文化資源のマイクロコンテンツ化とそのメタデータの時空間情報に軸を置いた構造化については、調査による典拠データの高度化を行った。特に地理情報に関しては、「『日本歴史地名大系』地名項目データセット」の採用により、現在の地名に一度変換を行わなくても構造化されたメタデータを付与することが可能となった。ただし、実際の地域文化資源への構造化されたメタデータ付与、そうしたメタデータの外部活用に向けた発信については選定段階にとどまり、初年度に予定していた学生アルバイトによるマイクロコンテンツ化のためのデータ収集・メタデータを付与まで進むことができなかった。 手法面の計画以上の進捗と、個人的な研究データ制作の若干の遅れを総合して、進捗を評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
人文学資料マイクロコンテンツ化「手法」については、すでに適用が始まっている「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画 国際共同研究『麻布一本松狩野家資料に関する画題の国際化のための基盤研究』」の成果公開を支援し、より幅広い対象へマイクロコンテンツ化手法の有用性を示すとともに、さらなる手法の普及を進める。 地域文化資源のマイクロコンテンツ化については、群馬県内の地域文化資源のデジタル・コレクションとしての整理と構造化した時空間情報の付与を行う。具体的には、群馬県立図書館が簡易的なデジタル化を行って公開している「古き良きぐんまの風景」(109点)について、掲載されている群馬の名所を時空間情報で整理するとともに、地誌・旅行記といった関連する資料の内容情報との紐づけを行い、歴史的な状況を復元する。 また、時空間情報を軸としたマイクロコンテンツの整理と活用として、江戸および北関東地方を中心とした人物の移動情報(旅行情報)を整理し、人文学オープンデータ共同利用センターが公開する「edomi江戸をみる/みせるデータポータル」上で公開する。現在作成している清河八郎『西遊草』、泉光院野田成亮『泉光院江戸旅日記』、ヨハン・ルートヴィヒ・ハインリヒ・ユリウス・シュリーマン『シュリーマン旅行記 清国・日本』と同時期、具体的には江戸中期から末期における移動情報を収集し、構造化を行っていく。これまでは個人の旅行を中心としていたが、名所記・名所図会などから復元される、現在の「観光コース」にあたるルートの構造化も想定している。
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