Project/Area Number |
23K17209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 90120:Biomaterials-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 慶 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (30895272)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | コレステロール / Hedgehogシグナル / 融合タンパク質 / DNAナノ構造体 / 抗癌活性 |
Outline of Research at the Start |
Hedgehog (Hh)シグナル経路の阻害は抗癌活性を示すことが認められており、本経路を標的とした癌治療法の開発が注目されている。また、Hhシグナルの活性化には細胞膜のコレステロールとSmoothened受容体の相互作用が重要が重要であることが報告されている。そこで本研究では、細胞膜コレステロールとの結合活性を示すタンパク質に着目した。本タンパク質の細胞膜コレステロールとの結合性を増強するために、DNAナノ構造体とタンパク質ハイブリット分子を構築する。本分子により、細胞膜コレステロールとHhシグナル受容体間の相互作用を阻害することで、Hhシグナル経路の抑制および抗癌活性の発現を狙う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、細胞膜コレステロールに着目したHedgehog (Hh)シグナル経路の阻害による癌治療法の開発を目的に、Anthrolysin O由来毒素タンパク質のdomain 4 (ALOD4)からなるALOD4-DNAハイブリット分子を構築する。ssDNAをタンパク質に修飾する際には、タンパク質中のリシンやシステイン、アスパラギン酸、グルタミン酸の側鎖の使用が汎用的であるが、修飾位置や数の制御やタンパク質の活性を維持することが困難である。そこで、ALOD4のC末端にssDNA結合性タンパク質Repを連結した融合タンパク質ALOD4-Repを構築することで、ssDNA結合活性を持つRepに依存したssDNAの修飾を行うこととする。さらに、DNAオリガミ的手法によりDNAナノ構造体を設計し、DNAを架橋点としたALOD4の多量体の構築を検討する。ALOD4の多量化によって、細胞膜コレステロールとの結合定数を向上させるとともにHhシグナル経路の阻害効果を最大限に発揮することが可能になると予想される。Hhシグナル経路の阻害による癌の増殖・遊走性、アポトーシス誘導について検討し、ALOD4-DNAハイブリット分子の癌治療に対する有効性を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RepのC末端に(GGGS)2配列を介してALOD4を連結した融合タンパク質Rep-ALOD4を、大腸菌KRX株を用いて得た。Rep-ALOD4のコレステロール結合活性を水晶振動子マイクロバランス法により測定した。0 - 40 wt%のコレステロールを含むリポソームを作製し、SiO2基板に添加することでリン脂質自己支持膜を形成した。この膜に対してRep-ALOD4を添加した結果、コレステロール含有量が0 - 10 wt%ではΔFの変化を示さなかった。一方、コレステロール含有量が20 wt%以上においてΔFの減少が認められるとともに、ΔFの減少量はコレステロール含有量に依存して増加した。これらの結果より、ssDNA結合活性を有するALOD4-Repは、コレステロール依存的にリン脂質膜に対する結合活性を有することが明らかとなった。Rep-ALOD4のssDNA結合活性を評価した結果、Rep-ALOD4は5`末端にRep認識配列を付加した40残基程度のssDNAと反応時間1分以内に70%以上の結合性を示した。続いて、Rep-ALOD4によるssDNAの結合性ついて評価した。Rep-ALOD4は、5’末端にRep認識配列を付与したssDNA、DNAアプタマーと反応時間1分以内に70%以上の結合性を示した。ここで、ssDNAを利用したRep-ALOD4のナノ構造体の形成に関する第一段階の検討として、相補的な関係にある二種類のssDNAをそれぞれRep-ALOD4に結合させ、ssDNAの相補対形成に伴うRep-ALOD4の二量体形成を評価した。電気泳動法およびSECを用いて二量体形成の評価を試みたところ、反応濃度や時間に伴ったRep-ALOD4の二量体形成は認められなかった。現在、ssDNAの配列やタンパク質とssDNA間に対するリンカーの挿入を検討しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ssDNAを利用したRep-ALOD4のナノ構造体の形成について実施する。また、Rep-ALOD4によるHhシグナル経路と癌の悪性化に対する影響について評価を実施する。神経芽腫細胞をモデルとして。ヒト神経芽腫SK-N-AS細胞にHhリガンド分子およびRep-ALOD4を任意の時間作用させ、Hhシグナル経路のマーカーであるGli1およびSonic hedgehogのタンパク質、遺伝子発現変動をウェスタンブロットおよびRT-PCRにより評価する。また、細胞の増殖性やアポトーシス関連分子の変動を評価することで、抗癌活性についても検討する。得られた結果から、Rep-ALOD4-DNAハイブリット分子によるコレステロール結合性とHhシグナル経路の阻害効果について包括的に考察する。
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