Project/Area Number |
23K17228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 90130:Medical systems-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大山 飛鳥 大阪大学, キャンパスライフ健康支援・相談センター, 特任助教(常勤) (80913201)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 人工知能 / 生活習慣病 / 特定健診 / ビッグデータ / 説明可能性 |
Outline of Research at the Start |
生活習慣病は心臓病や脳卒中を引き起こす原因となる一方で,日々の生活習慣の改善で予防が可能である.そのためには自分自身の生活習慣病の発症リスクを認知し,各人が行動変容を起こすことが重要である.リスク認知を促すAIの研究開発は行われているものの,説明性が十分に備わっていないために実社会への進出は二の足を踏んでいるというのが実情である. 本研究の目的は,大阪府大規模健診データを活用することで,近い将来起こりうる生活習慣病の発症確率を個人に対して正確に予測し,その判断に至った経緯を説明することで,個人に対して具体的な努力目標を提示することのできるAIシステムの開発である.
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Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病は日々の生活習慣の改善で予防可能であり,予防のためには自分自身のリスク認知と行動変容が重要である.本研究の目的は,国保データベース(KDB)の健診ビッグデータを用いた説明可能な生活習慣病発症予測システムの開発である.本年度の研究実績は大きく分けて下記の3点である. 一つ目は,データベース構築及び記述的解析である.初年度である2023年度は,KDBデータの更新及びデータベースの構築・整備に時間を要した.続けて,メタボリックシンドローム(MetS)の季節性を考慮した罹患割合やリスク因子の変動解析を行い,リスク因子の季節変動がMetSや生活習慣病の発症リスクを予測する上で重要な要因であることを評価した.本解析内容は査読付論文として発表した.また,大阪府国保加入者の10年度にわたる高齢者や介護認定者の変遷,認知症リスクと生活習慣病の関連など大阪府KDBデータから得られた解析結果を情報処理学会誌に掲載した. 二つ目は,3年以内の生活習慣病発症予測システムの開発である.本研究では,木構造に基づくAIモデルを活用し,個人に対する糖尿病・高血圧症・脂質異常症の発症を正確に予測するモデルを開発した.一方で,実臨床での運用上の課題を考慮し,Cox回帰モデルを用いた糖尿病発症リスクにおけるスコアリングモデルの構築も並行して行なった. 三つ目は,説明性システムの開発である.複雑なAIモデルに解釈可能な説明性を付与するため,SHAPと呼ばれる説明技術を用いて,予測に至った経緯を説明可能なAIの開発を進めている.また,糖尿病の発症リスクと二十歳からの体重増加の関係に着目し,二十歳から10kg以上の体重増加がもたらす糖尿病リスクに関して国内の学会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究チームでは,大阪府保険者協議会及び大阪府国保連合会の協力により,日本でも有数の人口規模を誇る大阪府の国保データベースの医療・健診・介護に関わるデータが利用可能となっている.本データは,2023年度にデータの更新を行い,約10年度分の横断的なデータ解析が可能となった.容量が約2TBにも及ぶKDBデータの更新に伴って,新たにデータベースやインフラ環境の構築を行なったため,初年度の大半は環境整備やデータ理解に時間を費やした. データ整備と並行し,本研究の主目的である生活習慣病の発症リスクを予測する説明可能AIの開発に着手し,旧データを用いて概ねのフレームワークの開発は完了した.加えて,季節性を考慮したリスク因子の変動評価や10年度分の大阪府KDBデータの記述データ解析,二十歳からの体重増加と糖尿病リスクとの関係を発表できたことで,概ね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究の方針として,データ更新後の10年分データを用いた生活習慣病発症予測モデルの開発を行う予定である.個人の追跡可能な期間が延長したことで,解析対象者人数が増えるだけでなく,経時変化に伴う外部評価や市区町村間の比較も可能となる. あわせて,現在までに得られた研究成果について,学会発表や論文発表を行う予定である.
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