Project/Area Number |
23K17255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 90140:Medical technology assessment-related
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Nagasaki Medical Center |
Principal Investigator |
原 健太朗 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 看護部, 看護師 (80924943)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 時間依存型無菌性維持(TRSM) / 事象依存型無菌性維持(ERSM) / 手術室 / 細菌検出用培地 / 滅菌 / 期限 / 事象依存型無菌性維持 / 時間依存性無菌性維持 |
Outline of Research at the Start |
適切な方法で洗浄された鋼製器械、綿製品、ラテックス製品を蒸気滅菌、エチレンオキサイド滅菌、過酸化水素プラズマ滅菌で滅菌し、滅菌バッグにて二重包装、ヒートシール方式で密封する。6か月ごとに滅菌作業を行い3種類の滅菌方法ごとに、鋼製器械3個、綿製品もしくはラテックス製品3個の計18個を滅菌する。5年間で180個(36個/年間)を滅菌し、細菌培養結果の集計後、解析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本国内の医療機関における滅菌物の安全保存期間に関する新たな基準を確立することを目的としている。従来の時間依存型無菌性維持(TRSM)から、事象依存型無菌性維持(ERSM)への転換を試みることで、無用な再滅菌の実施を減少させ、医療コストの削減及び患者サービスの質の向上を図る。 2024年2月、研究開始から1年半後の中間点として、プレテストを実施した。このテストでは、三種類の滅菌方法(蒸気滅菌、エチレンオキサイド滅菌、過酸化水素プラズマ滅菌)を用いて滅菌された鋼製器械、綿製品、ラテックス製品の各6個、計18個の滅菌物について、その無菌性が保たれているかを細菌検出用培地を用いて評価した。結果、18個の滅菌物すべてで無菌性が保持されていた。これにより、滅菌後も長期間の安全保存が可能であることが示唆され、ERSMの有効性が初めて実証される可能性がある。 この成果は、日本における滅菌物の管理に関する新しいパラダイムを提案するものであり、医療機関が無菌性を維持するために従来依存していた時間基準の見直しを促すことに繋がる可能性がある。さらに、滅菌物が臨床現場で安全に使用される期間を事象に基づいて延長できることから、医療資源の有効活用が見込まれる。 現在、我々はこのプレテストの結果を踏まえ、5年間の本試験に向けての準備を進めている。これには、更なるデータ収集と分析が含まれ、最終的な試験結果が医療機関の滅菌プラクティスにどのように貢献できるかを全面的に評価する予定である。 この研究は、国内外の医療機関における滅菌ガイドラインの改善に寄与するだけでなく、医療安全を確保する上での重要な一歩となることが期待される。医療現場での無菌操作の信頼性を高め、患者に対する安全性をさらに向上させるための科学的根拠を提供することで、医療の質を一層高めることができる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題における進捗状況は、以下の自己点検による評価に基づき、概ね順調に進行していることが確認される。本研究は、日本国内の医療機関における滅菌物の安全保存期間を時間依存型から事象依存型へ転換することを目的とし、これにより無用な再滅菌の回数を削減し、医療コストの低減及び患者サービスの質の向上を図ることを目指す。 2024年2月に実施されたプレテストでは、三種類の滅菌方法を用いた18個の滅菌物について、その無菌性が保たれているかを細菌検出用培地を使用して評価した。試験の結果、全ての滅菌物で無菌性が確認され、滅菌後も安全に長期保存が可能であることが示された。この結果は、事象依存型無菌性維持(ERSM)の実現可能性を支持するものであり、医療機関における滅菌プロトコルの見直しに貢献する重要なデータと評価される。 さらに、滅菌物の作成は計画通りに進行しており、プロジェクトのスケジュールに従って適切なタイミングで各種滅菌処理が施されている。これにより、プレテストだけでなく、5年後に予定されている本試験の準備も適切に行われていることが確認される。 本研究の進捗状況を総合すると、初期の目標設定に基づく各段階が予定通りに進行しており、今後も引き続き計画に沿った研究活動が展開されることが期待される。これらの事実は、研究課題の遂行能力及び研究環境が十分に整っていることを示しており、研究目的の達成に向けて順調に進展していると自己評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
本試験に向けた準備:今後は、5年後に予定されている本試験に向けての準備を進める。これには、滅菌物の作成及び保管条件の最適化、試験プロトコルの最終確認、必要な資材と人員の確保が含まれる。本試験の成功は、事象依存型無菌性維持(ERSM)の科学的根拠を固め、実用化へ向けて準備を行っていく。 滅菌物の適切な管理:無菌性を確実に保つために、滅菌物の管理を徹底する。これには、保管環境の温度と湿度の厳格なコントロール、包装の完整性の定期的なチェック、滅菌後の取扱いプロセスの標準化が含まれる。適切な管理は、本試験のデータの信頼性を保証し、結果の正確性を高めていく。 学会発表および報告の準備:研究成果の普及と医療界へのフィードバックを目的として、学会発表や学術誌への投稿を計画している。これにより、ERSMに関する知見を広め、他の研究機関や医療施設との知識共有を促進する。具体的な発表資料の準備と、発表会での議論を通じて、研究課題の社会的及び学術的価値を高める。
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