Project/Area Number |
23K17317
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 18:Mechanics of materials, production engineering, design engineering, and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
垂水 竜一 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (30362643)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥25,740,000 (Direct Cost: ¥19,800,000、Indirect Cost: ¥5,940,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
Fiscal Year 2023: ¥13,130,000 (Direct Cost: ¥10,100,000、Indirect Cost: ¥3,030,000)
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Keywords | バイオミメティクス / ソフトロボット / 空気圧駆動 / リーマン多様体 / しなやかな材料力学 / デジタルツイン / Society 5.0 |
Outline of Research at the Start |
植物は生命誕生以来の進化と淘汰の結果,しなやかに変形する柔軟構造と,それに起因した高い運動性能を獲得した.本研究では,材料力学の解析対象を従来の堅強な構造材料から柔軟なソフトマテリアルへと変革することで,植物の運動形態を再現する新しい数理モデル「バイオミメティック多様体」を構築し,植物の持つ優れた運動特性の起源を力学的に明らかにする.また,構築した力学モデルをデジタルツインとして利用することで,植物を模倣した革新的ソフトロボットを設計するとともに3Dプリンターを用いた製作,および運動制御の実証実験を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度はハエトリソウ、オジギソウ、およびキュウリの巻きひげに対するリーマン多様体に基づく力学モデルの構築と、エラストマーを用いた空気圧駆動型バイオミメティックアクチュエータの設計および製作を行った。力学モデルについては予定通り研究が進んでおり、リーマン計量を用いた植物内組織の膨圧による形状変化と、それに伴う植物のマクロ運動について安定した力学解析が進んでいる。特に、今年度は数値解析に動的陽解法を導入したことによって、これまで運動過程で生じていた力学的な不安定点の取り扱いが大幅に改善された。これによって、極めて大きなコストがかかっていた安定経路の探索が低コストで行えるようになった。これで当初予定していた力学モデルはほぼ完成したが、これらのモデルには植物の運動の際のトリガーとなる外部信号の情報伝達機構が含まれていないという欠点がある。これは当初目標には含まれていなかったものの、植物の内部器官の機能をより正確に反映させるには、そのモデリングが極めて重要となることが植物学者との共同研究で明らかとなった。そのため、今後は情報伝達機構のモデリングを追加で行い、より包括的な力学モデル構築を目指す。一方、アクチュエータの制作については、ハエトリソウと巻きひげを模倣したものが作成できている。いずれも空気圧による駆動については確認ができているものの、まだ完成度は十分でなく性能評価の段階には至らない。そのため、今後は設計の改善を行うとともに、試作機の品質向上に努めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、植物のモデリングと解析にはリーマン多様体を用いる予定であったが、これが順調に進んでおり、様々な植物の系統的な力学モデルを構築できることが明らかとなった。また、植物を専門とする豊田教授(埼玉大)との共同研究が始まり、当初予定していなかった、植物の内部における情報伝達機構のモデリングと解析を新たに行う事になった。本研究では、バイオミメティックソフトロボットを実際に作成する予定であるが、その際には運動制御が必要となる。ここで、現実の植物内での情報伝達機構を理解することは極めて重要な意味を持つことから、当初計画以上に研究の進展が期待できる。なお、ソフトロボットの作成は当初は3Dプリンターを予定していたが、試作を行ったところ必ずしも造形精度が高くなく、またエラストマーを使ったCasting法で十分な代替ができることが明らかになったことから、作成方法については起動修正する事にした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は当初の予定を超えて順調に進んでいることから、当初の計画を前倒しして研究を推進する。理論面では、上記のようにリーマン多様体を用いたモデリングはほぼ完了し、新たに情報伝達機構のモデリングを追加する予定である。一方、実験面では、ソフトアクチュエータの試作を優先的に進めていく予定である。既に基本構造の試作には成功しているが、まだ多様な植物の形態や運動機能の再現までは行えていない。今年度は主に実験を優先して研究を進める予定である。
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