Project/Area Number |
23K17327
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 21:Electrical and electronic engineering and related fields
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小寺 哲夫 東京工業大学, 工学院, 准教授 (00466856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正治 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40740147)
三木 拓司 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 准教授 (60754629)
米田 淳 東京工業大学, 超スマート社会卓越教育院, 特任准教授 (60734366)
溝口 来成 東京工業大学, 工学院, 特任助教 (90848772)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥25,740,000 (Direct Cost: ¥19,800,000、Indirect Cost: ¥5,940,000)
Fiscal Year 2026: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
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Keywords | 量子ドット / シリコン / 量子情報 / 極低温回路 / 極低温制御回路 / 量子コンピュータ |
Outline of Research at the Start |
シリコン量子コンピュータが通常動作する数十ミリケルビンの極低温環境を保つためには、制御回路からの発熱をマイクロワット程度に抑える必要があるが、従来の極低温回路においてこの実現は容易ではない。本研究では、CMOS技術とも整合性が良いシリコン量子ドットが量子ビット機能と制御回路機能の間で再構成可能(リコンフィギュアラブル)であることに着目し、両方の面からシリコン量子ドットの設計・作製・極低温評価を行う。極低温下で顕著になるシリコン量子ドットの単電子性・量子性を活用し、極低温環境で求められる超低消費電力な制御回路の可能性を開拓する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CMOS技術とも整合性が良いシリコン量子ドットが量子ビット機能と制御回路機能の間で将来的に再構成可能(リコンフィギュアラブル)となることを目指し、両方の面からシリコン量子ドットの設計・作製・極低温評価を行う。極低温下で顕著になるシリコン量子ドットの単電子性・量子性を活用した、超低消費電力な制御回路の可能性を開拓する。 今年度はまず、極低温回路での利用の可能性がある室温用の表面実装素子製品が、極低温でどのような特性を持つかを確かめた。実験ではSパラメータ測定のフィッティングから極低温における回路パラメータを求めた。室温でのパラメータと比較することで、特性の変化について知見を得た。得られた極低温回路パラメータの検証やシリコン量子ビットの高速な測定系の実現のために、RF反射測定と呼ばれる高速測定手法に必要な整合回路を作製し、極低温実験において期待通りの特性を得た。このRF反射測定は量子ドットの微小なインピーダンス変化の測定に利用される。また同様の手法を用いて、量子ドットの回路パラメータのひとつとして、2量子ドットの量子準位に由来する量子キャパシタンスの評価に成功した。 加えて、量子ドット構造を活用したDA/AD変換器の実現に向けて、今年度は、CMOSトランジスタを用いた極低温DA変換器の設計と試作を行った。極低温評価を通じて、DA変換器の正常動作を確認するとともに、量子ドットを用いたDA/AD変換器の電荷再配分動作に必要なスイッチ動作の極低温特性や寄生成分等のデータを取得した。 来年度以降、現在検討中のシリコン量子ドットデバイスを用いた回路のプロトタイプ試作を行っていく予定であり、そのための事前検討を行った。具体的にはプロセスフローのレビュー、試作予定場所である、東大生研で使用可能な装置の確認を行った。試作を始めるまでの環境安全講習などのロジスティックスも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
リコンフィギュアラブルなシリコン量子ビットシステムの構築に向け、将来の比較対象となる極低温古典回路の実現を初期の段階で行う。今年度は、この極低温古典回路として、量子ドットを用いた極低温DA/AD変換器の構成に向けて、まずCMOSトランジスタによるDA変換器の極低温動作を評価した。これにより、量子ドットによるDA/AD変換アーキテクチャ探索のための基礎データの取得に成功した。これは、当初の想定よりも早期に得られた成果であり、計画以上に研究が進展していると言える。加えて、次の段階である、シリコン量子ドットと極低温古典回路が同じ温度で動作するよう集積されたシステムの試作を並行して進めている。さらに、量子ドット制御回路において重要となる量子ドットの微小回路パラメータの評価に成功するなど、量子ドット制御回路の実現に向けた良好な予備データの取得に成功しており、順調に研究が進展している。また来年度以降、現在検討中のシリコン量子ドットデバイスを用いた回路のプロトタイプ試作を行うために、プロセスフローのレビュー、試作場所で使用可能な装置の確認、を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
シリコン量子ドットを用いた制御回路の可能性を模索するため、分担者の管理するクリーンルームを利用することを想定してデバイス作製に向けた準備を進める。並行して、そのような環境で作製可能な量子ドット制御回路について、今年度の知見を活かして検討を進める。 また、リコンフィギュアラブルな量子ビット系では、極低温制御回路と量子ビットがオンチップであるため、このような系の実現に向け、量子ドットと極低温古典回路が同じチップ上に集積されたデバイスの具体的な検討を開始する。 加えて、低消費電力な極低温古典制御回路の設計を継続して行う。
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