Project/Area Number |
23K17350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 28:Nano/micro science and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
斉藤 光 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50735587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝口 雅人 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, ナノフォトニクスセンタ, 主任研究員 (90728205)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
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Keywords | カソードルミネセンス / 電子エネルギー損失分光 / 時間分解分光 / 電子顕微鏡 / ナノフォトニクス |
Outline of Research at the Start |
高速かつ省エネルギーなデバイス開発はナノフォトニクス分野における重要課題であり、ナノメートルの空間分解能を有するカソードルミネセンス(CL)はナノ材料やデバイス機能の解析の強力な手法となり得る。従来のCLは類似のフォトルミネセンス(PL)のような励起エネルギー選択性がなく、様々な励起状態を区別することなく緩和過程を計測するため、種々の現象を切り分けて解析することができない。本研究では新型CL顕微鏡を開発し、時間分解PLと定量比較可能な計測をナノメートルオーダーの空間分解能で実現するとともに、未解明であった半導体におけるCLの機構を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
サブオングストロームの極めて細い電子線を形成することのできる電子顕微鏡は物質・材料の微細構造と物性の解析に不可欠であり、電子線を利用した分光分析であるカソードルミネセンスは近年大きな注目を集めている。しかしながら、励起エネルギーを選択できないという電子線の性質により、カソードルミネセンスは類似のフォトルミネセンスと同様に解釈することができない場合がある。そこで、本研究では、電子エネルギー損失分光とカソードルミネセンスの両方を装備した透過電子顕微鏡をベースに、励起エネルギー選択性のあるカソードルミネセンスを実現し、半導体におけるカソードルミネセンスの機構を解明し、フォトルミネセンスと定量的な比較を可能とすることなどを目的としている。本年度は、電子エネルギー損失分光とカソードルミネセンスとの相関をサブナノ秒の時間分解能で計測できるようにする高速・高効率のシンチレータの開発を進めた。複数のハライドペロブスカイトで構成されたナノコンポジット材料が、本研究の目的に合致したシンチレータとして機能することが見出された。また、ハライドペロブスカイトにおいてカソードルミネセンスの蛍光減衰がフォトルミネセンスのそれと比較して極めて速いことが先行研究でも見いだされていたが、その原因は不明であった。本年度の研究で同一試料においてカソードルミネセンスとフォトルミネセンスとを実験的に比較することを通じ、ハライドペロブスカイトではレート方程式の中でキャリア拡散を考慮する必要があることが見出され、これにより矛盾なく両分光計測におけるダイナミクスを解釈することができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定どおり、電子エネルギー損失分光とカソードルミネセンスとの相関計測に必要なシンチレータが開発されている。これを装置の中に組み込み、検出器として利用できるところまで準備が進められている。また、電子エネルギー損失分光とカソードルミネセンスとの相関計測を電子線照射位置の制御と連動させるためのソフトウェア開発も並行しており、半導体キャリアダイナミクスのナノスケール局所計測の実現に向けた準備も順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、電子エネルギー損失分光とカソードルミネセンスとの相関計測が実現する見込みであり、これを半導体キャリアダイナミクスの計測に適用し、さらにフォトルミネセンス計測とも比較しながら、当初予定どおり半導体のカソードルミネセンスの機構解明を進め、カソードルミネセンスとフォトルミネセンスの両方を矛盾なく解析できる学理の構築と定量計測の実現を目指す。また、2025年度に予定しているナノ・マイクロ共振器を介した光―物質相互作用の局所定量解析に向けた準備として、試料作製を並行して進める。
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