実動作中のワイドギャップ半導体パワーデバイスにおける転位の動的な挙動の観察
Project/Area Number |
23K17356
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 30:Applied physics and engineering and related fields
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
姚 永昭 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主任研究員 (80523935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 由加里 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 特任主幹研究員 (60416196)
菅原 義弘 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 上級研究員 (70466291)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥25,870,000 (Direct Cost: ¥19,900,000、Indirect Cost: ¥5,970,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,480,000 (Direct Cost: ¥9,600,000、Indirect Cost: ¥2,880,000)
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Keywords | オペランド観察 / パワーデバイス / 結晶欠陥 / 放射光X線トポグラフィー / Ga2O3 / SiC / 転位 / オペランド観測 / X線トポグラフィー |
Outline of Research at the Start |
本研究では、転位周囲の微小な格子歪みによるX線回折の乱れを利用して転位の二次元(2D)分布をイメージングする放射光X線トポグラフィー(XRT)をベースとし、下記3つのコア技術を確立することで、転位の動的な挙動を5Dで観察する方法を構築する。 (1)2D→3D:転位を3D可視化するためのXRT光学系の構築。 (2)3D→4D:高速撮影システムの構築。 (3)4D→5D:電圧電流印加回路の設計。 上記の技術開発により、従来の2DのXRT観察法を5Dまで発展させ、実動作中のデバイスにおける転位の動的な挙動を観察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ワイドギャップ化合物半導体のパワーデバイスを研究対象とし、転位によるデバイス劣化の機構の徹底解明に向けて、実際の電力変換・制御時と同様な高電圧・大電流・高温の条件でデバイスを実動作させながら、これまで実現不可能とされていた「転位の動的な挙動の5D観察法」の確立を目的とした。 R5年度は転位を3D可視化するためのXRT光学系の構築に取り組んだ。結晶表面に露出する転位の2D分布を取得する従来の反射配置XRTに加えて、反射配置と透過配置を同時に実現する観察方法を検討した。放射光光源の波長連続可変な特徴を生かし、試料を回転しながら、デバイス内部の転位の2D投影像を連続に取得する回転式透過配置XRTを取得した。時間軸を加えるために、従来のアナログな撮影媒体の代わりに、秒単位の短い露光時間で転位像を連続に取得するデジタル方式の採用方法を採用した。ここで、画像の高分解能と撮影の高速化を両立させることが最大の課題である。「シンチレータ+リレーレンズ+高速CMOSカメラ」の撮影方法を採用し、シンチレータの高発光効率・高精細化、リレーレンズの最適化を実施した。反射配置では、回折ベクトルにg316を用い、約20度の入射角度でデバイス表面にX線を照射することで、厚み100nmのTi/Au電極を通してエピ層およびエピ層と基板の界面付近の欠陥を高感度で検出することを確認した。オペランド観察に必要な回折強度が得られる最適な回折条件も見出した。透過配置では、デバイスの裏面よりX線を入射し、基板、エピ層、および界面を全て含む情報を2D投影像として取得する方法を確立した。X線吸収が強く、通常の方法では透過XRTを取得できないGaNとβ型Ga2O3では、動力学的X線回折現象である「異常透過」を利用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は動作中のパワーデバイス中の欠陥をリアルタイムで撮影する技術の確立に向けて、放射光X線トポグラフィー像の高分解能と撮影の高速化を両立させる技術の開発に取り組んだ。シンチレータ+リレーレンズ+高速CMOSカメラの撮影方法を採用し、シンチレータの高発光効率・高精細化、リレーレンズの最適化を実施した。また、反射配置と異常透過を利用した透過配置のそれぞれの最適な観察条件を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究協力者で開発された高発光効率・高精細のGAGG:Ceシンチレータのさらなる高精細化を検討する。焦点距離40 ㎜の拡大レンズを135 mmに変更し、それに応じてリレーレンズシステムを改良することで空間分解能の更なる向上を図る。転位像のリアルタイム撮影は、デバイス全体をカバーできる大きな受光面積を有する高速・高感度のCMOSカメラを用いる。メーカーの協力の下で、カメラのカスタマイズを行う。最終的に、カメラに到達した時点での実効空間分解能を0.4μm/pixelまで向上させた上で、撮影速度を50 frame/secにする。分解能と撮影速度の両立を実現することによって、転位の移動と構造変化を瞬時に捉える撮影方法を確立する。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)