Development of single-molecule 4D live imaging technology for living samples
Project/Area Number |
23K17364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 34:Inorganic/coordination chemistry, analytical chemistry, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉村 英哲 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90464205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 樹 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波先進研究センター, 主任研究員 (50709095)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 1分子イメージング / 生細胞 / バイオイメージング / 蛍光 / 顕微鏡 / 生物発光 / ホログラフィー / 1分子イメージング |
Outline of Research at the Start |
本研究では生きた多細胞試料を対象に、研究対象とする生体機能や疾患の関連分子についての1分子動態と1細胞機能の時空間解析を同一試料で実現する技術群の創出を目指す。この目的を達成するために本研究では生きた多細胞試料に対する1分子動態観察を実現する広視野1分子蛍光顕微鏡および3Dホログラフィー技術の開発、細胞出力としての遺伝子発現可視化プローブの開発を行う。さらにその技術を実際の多細胞試料を対象に適用し、技術の原理実証を行うと同時に、多細胞形質変化が生じる機構解明に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は多数細胞の協奏的な働きにより発現する生体機能や疾患における分子動態スケールでの機構について、時空間をまたいだ理解を実現する技術群を開発することである。具体的には、生きた多細胞試料を対象に、研究対象とする生体機能や疾患の関連分子についての1分子動態と1細胞機能の時空間解析を同一試料で実現する技術群の創出を目指している。 多細胞試料の1分子動態観察技術について、大型イメージセンサーを搭載したsCMOSカメラを用い、像面湾曲を抑えながらイメージセンサーに結像するシステムを構築した。具体的には従来の1分子観察では用いられない40倍の低倍対物レンズを採用し、リレー光学系により像を2倍に拡大することで、大型イメージセンサー全体に1分子観察が可能な像を結像する系を作成した。リレー光学系には像面湾曲を抑制するためテレセントリックレンズを採用した。その結果、1視野に数10細胞を捉えながら1分子解像度での輝点観察を実現した。 併せて開発している生物発光遺伝子発現センサーについて、原理実証のためのベータアクチンmRNAを標的分子として、生細胞内で選択的に標識し、可逆的に生物発光を示す新規なプローブを開発した。このプローブは標的RNAの存在下で発光強度を増大し、標的RNAの分解とともに発光強度が背景光レベルまで減少することが試験管内での評価で確認された。このプローブを生細胞内に導入し生物発光顕微鏡での可視化観察を行ったところ、外部刺激の導入によってRNA顆粒の形成及び細胞辺縁部への輸送が観察された。これら細胞内現象はベータアクチンmRNAに生じる現象として報告されているもので、すなわちベータアクチンmRNAで生じる細胞生理現象を本研究で開発した生物発光プローブで観察できることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず本研究の進展を評価するうえで、本研究の核となる多細胞1分子観察を実現する光学系構築の進捗具合が大きな位置を占める。その点について、2023年度には低倍対物レンズと2倍拡大テレセントリックリレー光学系を利用した、1分子広視野観察系の構築を行った。その結果、1視野に多数の細胞を捉えた1分子観察系を実現した。この広視野1分子観察を実現する光学系構築とその原理実証が、3カ年の研究の1年目で実現できたことは、本研究全体の達成及びさらなる発展に対して非常に重要な意義を持つ。最初の1年で基本光学系の原理実証が実現したことで、2024年度以降に行うさらなる顕微鏡装置の拡張及び生細胞における多細胞が協奏して生じる現象の観察へと余裕を持って進めることが可能となった。 また生物発光遺伝子発現プローブの開発については生細胞内における遺伝子発現産物であるRNAの生物発光を利用した可視化観察が実現し、その詳細な細胞内局在と動態の可視化を実現した。この成果は既にACS Sensors 誌で発表しており、こちらも研究開始1年の時点で本研究の基盤構築に成功したと言える。このプローブに用いているmPUMは様々なRNAに対して選択的に結合するようテーラーメイド型のデザインを行うことが可能であり、ベータアクチンmRNAに対して生物発光を通じた観察ができることが原理実証されたことで、汎用的な遺伝子発現プローブの創出の基盤となる技術構築が完了したと言える。 さらに、細胞観察の3次元化を目指すホログラフィックイメージング技術や多細胞試料の作成なども着実に進めており、3カ年にわたる本研究の1年目の成果としては当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、広視野1分子蛍光顕微鏡の安定性と画質の向上及び生細胞への応用、ホログラフィック顕微鏡技術を用いた蛍光または生物発光の3次元観察、の2点を中心に技術開発を進める。 1つめの、広視野1分子蛍光顕微鏡の開発について、これまでに構築した原理実証用の装置では剛性などが十分でなく、生細胞観察に向けた操作性も優れているとは言えなかった。そこで、より剛性の高い県美挙装置を自作し、また安定した生細胞観察を実現するための電動化を行う。これら装置の改良により、安定した生細胞広視野1分子観察を実現する。そしてこの装置を用いて細胞シートの1分子観察を行う。具体的には上皮細胞または線維芽細胞を試料として、細胞間で連動したシグナルの伝搬と細胞の遊走現象について、遊走を司る受容体または接着タンパク質の1分子観察を行う。この観察を元に、細胞遊走シグナルが1細胞内および多細胞間でどのように伝搬するか解析し、個々の細胞を1つのノードとした多細胞情報処理機構の動作機構の理解を目指す。 上記講師や顕微鏡の構築と併せて、3次元試料の観察実現を目指し、蛍光1分子または生物発光のホログラフィーイメージングの実現を目指す。まずはゲルに懸濁した蛍光分子、または生細胞内で生成した生物発光タンパク質を対象に、ホログラフィー顕微鏡を通じてその発光の検出を目指す。さらにホログラフィーの解析を通じて3次元情報を取得し、立体像の構築の実現を目指す。 以上の多細胞観察を実現する基盤技術の構築を2024年度に行う。この技術群の構築が実現したら、スフェロイドやオルガノイドなどの3次元細胞試料を対象に、多細胞の協奏した生理現象における1分子動態の観察の実現を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)