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助細胞が誘導する新奇の受粉非依存的胚珠肥大現象の解析と応用

Research Project

Project/Area Number 23K17375
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Medium-sized Section 38:Agricultural chemistry and related fields
Research InstitutionYokohama City University

Principal Investigator

丸山 大輔  横浜市立大学, 木原生物学研究所, 准教授 (80724111)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 野田口 理孝  名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 特任教授 (00647927)
Project Period (FY) 2023-06-30 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Keywords助細胞 / POEM / アポミクシス / 偽受精 / 胚珠肥大
Outline of Research at the Start

被子植物の種子発達は,花粉管の進入,精細胞の放出と受精という複雑な過程を経て開始される.これまでのシロイヌナズナの知見から,花粉管から放出された後の精細胞が受精を達成できない場合でも,種子発達の開始が一部進行することが示されており,花粉管内容物の中に種子発達促進物質があると目されていた.対して本研究では,花粉管の誘引と放出を促す助細胞の細胞死を人工的に誘導した場合にも同様の肥大開始が誘導されるというわれわれ独自の発見に基づき,このオス組織非依存的なメス組織の肥大現象のメカニズムの解明に挑む.また,イネにも同様の現象が誘導できるかどうか検証し,応用技術への展開の可能性も模索する.

Outline of Annual Research Achievements

被子植物の種子発達は,花粉管の進入,精細胞の放出と受精という複雑な過程を経て開始される.これまでのシロイヌナズナの知見から,花粉管から放出された後の精細胞が受精を達成できない場合でも,種子発達の開始が一部進行することが示されており,花粉管内容物の中に種子発達促進物質があると目されていた.対して本研究では,花粉管の誘引と放出を促す助細胞の細胞死を人工的に誘導した場合にも同様の肥大開始が誘導されるというわれわれ独自の発見に基づき,このオス組織非依存的なメス組織の肥大現象のメカニズムの解明することを目的としている.令和5年度は助細胞性胚珠肥大と名付けたこの現象について,助細胞の自動的な細胞死が起きるメカニズムの解析,および,花粉管の放出に依存した胚珠の肥大現象・POEMとの比較解析について取り組んだ.助細胞の自動的な細胞死が起きるメカニズムの解析については,助細胞崩壊の過程がタイムラプス観察できるよう,助細胞をmNeonGreenでラベルした系統を背景に助細胞性胚珠肥大を誘導する遺伝子をホモに持つ植物を作製した.また,この株と対照系統を用い,雌しべを除雄した後の1~4日の胚珠のRNAseqを行なった.これらの遺伝子発現データは助細胞性胚珠肥大とPOEMとの比較解析を行う予定である,その他,イネに対して助細胞性胚珠肥大を誘導する遺伝子の導入する実験も開始した.助細胞のカルシウムイメージングについては助細胞性胚珠肥大を示す系統に対して助細胞のカルシウムインジケータ遺伝子を導入した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画に記載していた助細胞の自動的な細胞死が起きるメカニズムの解析については,植物材料の作製が概ね完了しており,この材料を利用して助細胞性胚珠肥大とPOEMとの比較解析に必要なRNAseqデータを取得することができた.同時に助細胞性胚珠肥大を誘導する遺伝子の機能を解析するための実験材料の整備も進めている.まず,助細胞のカルシウムレポーター系や細胞内オーキシンをモニタする各種のレポーター系は助細胞性胚珠肥大が誘導される系統に形質転換済みである.また,助細胞アイデンティティに重要な役割を果たすMYB98転写因子の欠損変異や自律的な胚乳発達を誘導するmedea変異,msi1変異などとも助細胞性胚珠肥大が誘導される系統と交配を進めている.さらに,Wageningen大学のKim Boutilier博士より分与された受精非依存的な卵細胞の発達を誘導する融合遺伝子のEC1:AMV:BnBBMを持つ系統も作出に着手しており,卵細胞の自律的発達と助細胞性胚珠肥大との遺伝的相互作用も解析ができる準備が進んでいる.助細胞が自律的に細胞死をする様子のタイムラプスイメージングは予定と異なり,令和5年度内に行うことができなかったが,実験計画には盛り込まれなかった別の視点からの胚珠肥大現象の解析ツールの準備が進んだこともあり,本年度の進捗状況は概ね順調に進展していると判断した.

Strategy for Future Research Activity

R6年度は準備した材料をもとに,細胞生物学的・分子生物学的な視点から,助細胞性胚珠肥大のメカニズムを解析することを目標とする.まず,分担研究者の野田口博士の協力のもと,助細胞性胚珠肥大で発現する遺伝子群をPOEMの場合と比較し,形態的な特徴だけでなく遺伝子発現パターンも類似しているかどうか検証する.仮説通りに両者が類似していた場合には,POEMにおいて花粉管の破裂の影で誘導されていた助細胞の崩壊こそが両者の胚珠肥大に共通するトリガー現象である可能性が高まる.また,胚珠肥大が助細胞の特異的な内容物によって誘導されるか検証するため,対照として卵細胞特異的に発現する遺伝子のプロモーターを用いて胚珠肥大誘導遺伝子を発現させる実験も計画している.同様の解析としてmyb98変異遺伝子と助細胞性胚珠肥大の誘導遺伝子との遺伝学的な相互作用も解析する.一方で受精に頼らない種子発達の成功率を上昇させるアプローチにも力を入れる.具体的には未受精でも自律的に胚乳発達を始めるmedea変異やmsi1変異をもつ植物に助細胞性胚珠肥大の誘導遺伝子を導入することで,未受精卵の発達も誘導されうるのか解析する.また,未受精でも自律的に卵細胞が胚形成を開始すると考えられているEC1:AMV:BnBBM導入系統を当研究室でも作出し,助細胞性胚珠肥大の誘導遺伝子をさらに導入した場合の自律的な胚発達を調べる.この実験では半数体の卵細胞からそのまま半数体個体の植物が得られると期待されるため,誘導効率が上昇する生育条件の検討など,新たな植物生殖技術としての可能性を追求する.

Report

(2 results)
  • 2023 Comments on the Screening Results   Research-status Report
  • Research Products

    (8 results)

All 2024 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 2 results) Presentation (5 results)

  • [Int'l Joint Research] ケンタッキー大学(米国)

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      Sugi Naoya、Susaki Daichi、Mizuta Yoko、Kinoshita Tetsu、Maruyama Daisuke
    • Journal Title

      Plant And Cell Physiology

      Volume: - Issue: 5 Pages: 704-707

    • DOI

      10.1093/pcp/pcae018

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    • Journal Title

      bioRxiv

      Volume: -

    • DOI

      10.1101/2024.01.31.578224

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Published: 2023-07-04   Modified: 2024-12-25  

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