Project/Area Number |
23K17416
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 49:Pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹田 誠 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (40311401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 大志 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (80711712)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
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Keywords | ウイルス / コロナウイルス / 感染症 / 機能性ペプチド / 疎水性ペプチド / 新型コロナウイルス / 非正規RNA |
Outline of Research at the Start |
最近我々は、これらジャンクRNA(非正規サブゲノミックRNA)が、重大な機能を有することを示唆する研究データを得た(Okura T et al. 2022)。さらにこれらのRNAが数十から約百種の多種多様な短い機能性ペプチド(機能性ペプチド群)を発現している可能性を明らかにした(Okura T et al. 2022)。本研究では、コロナウイルスの非正規RNAならびにその非正規RNAがコードしていると考えられる機能性ウイルスペプチド群の生物学的意義の解明を目的に、以下の解析を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS-CoV-2)のORF1領域におけるアウトオブフレームのORFに関する研究では、46-68個のアミノ酸からなる疎水性アルファヘリックス構造を持ちうるペプチドをコードできる8つのORFを選定し、それらを発現させるための発現プラスミドを構築した。N末端側には、これらのペプチドを細胞内で検出するためのHAエピトープタグを付与した。これらのペプチドの機能的解析を実施したところ、これら8つのうちの2つにおいて、SARS-CoV-2のSタンパクによる膜融合を阻害することが確認された。一方、コロナウイルスとは関連のない麻疹ウイルスの膜融合は影響を受けなかった。これらのペプチドは、細胞内での局在パターンから、細胞膜に結合または挿入されている可能性が高いと考えられた。
ヒトコロナウイルス(HCoV)-229Eについて、感染細胞内でのRNAについて、網羅的な解析を実施した。SARS-CoV-2でも明らかにされているように、正規のサブゲノムRNAに加えて、機能や意義が不明である多種多様な非正規RNAが検出されました。これらのRNAの生物学的意義を解明するために、HCoV-229Eの遺伝子操作系の開発を開始した。
この研究は、コロナウイルスの増殖機構や病原性発現機構に関して全く新たなメカニズムを提供する可能性があり、コロナウイルスの理解のみならず将来的な治療法の開発に貢献する可能性があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SARS-CoV-2に関しては、本研究で標的としているコロナウイルスゲノム由来の機能性疏水ペプチドの感染細胞内での検出を、質量分析で試みたが、現時点では成功していない。種類は非常に多く、総量としては一定の量が期待できるものの、各ペプチドの量が少ないことや、ペプチドのサイズが非常に小さいことが原因であると考えられる。感染性を持つSARS-CoV-2を研究するには、BSL3実験室が必要であるが、その後、研究室の移動に伴い現在その利用が難しい状況である。そのため、BSL2で扱えるHCoV-229Eを活用して研究を進めることにした。ペプチドそのものを検出するという細胞側からのアプローチがうまくいっていないため、まずはウイルス側から、これらのペプチドをコードするORFの重要性を検証することにし、現在、研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
発現ベクターに組み込んだペプチドについては、その局在とコロナウイルスの膜融合阻害活性を今後詳細に評価していく。一方、研究を加速させるためには、BSL2施設で研究を進められるウイルスへの切り替えが必要だと考えている。そのため、現在、HCoV-229Eの遺伝子操作系の構築を進めており、まずはその完成を目指す。
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