Project/Area Number |
23K17443
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 58:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大山 要 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (50437860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 幹郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (00260737)
宮元 敬天 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 助教 (20619481)
竹林 実 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (60304440)
相原 希美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 助教 (60908557)
山口 拓 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (80325563)
小川 さやか 長崎純心大学, 人文学部, 講師 (80629171)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
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Keywords | 視える化 / 精神疾患 / バイオマーカー |
Outline of Research at the Start |
精神疾患は他の疾患とは異質で、疾患克服が非常に難しい。個人ならびに社会環境が複雑化した社会生活の中で、精神疾患の公衆衛生リスクは喫緊の課題である。また、精神疾患の社会的影響は大きく、治療やインフォーマルケア、患者の休職・離職による労働損失などを含む社会的コストが約11兆円と推計されている。精神疾患との共生型社会の実現には「客観的分子指標(明確な病態指標)による視える化」が不可欠で、分子指標は患者本人のよりどころとしてだけでなく、家族・友人・同僚の理解や共感にも必要である。本研究ではうつ病の病勢を反映するタンパク質バイオマーカーを同定し、病気の視える化を実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度はうつ病のタンパク質バイオマーカーの同定に向け、解析対象患者を選定した。本研究はうつ病をメインターゲットとするが、統合失調症などの他の精神疾患とクリアに分離できない場合があり、こうした患者が一定数解析対象に含まれる可能性を考慮した。バイアスを可能な限り排除するためには、同一患者の治療経過から臨床的に明らかに改善したと考えられるポイントで得られた検体の解析が必要と考えられた。そこで、その効果に最もコンセンサスが得られる治療として電気けいれん療法に着目した。電気けいれん療法は古くから使用されるもので、精神疾患全般で汎用されている。統合失調症、双極性障害ならびに大うつ病性障害の患者のうち、電気けいれん療法前後の血液検体セットがある患者を抽出し、異常タンパク質の網羅的解析(イムノコンプレキソーム解析法)を行い、治療前後で比較した。なお、当該患者については、既存の病態スコア(PANSSスコア、HAM-Dスコア)をもとに治療効果が認められることを確認したが、主観的スコアであるため、参考値とした。また、当該患者では病態スコアと治療効果が相関し、電気けいれん療法が高い効果を示していることから、前後比較に適した患者群と考えられた。解析結果から治療後に有意に減少する8種類の異常タンパク質を特定した。合わせて、異常タンパク質の総量をELISA法で測定して前後比較したが、総量に有意差は認められなかった。以上の結果から、精神疾患活動期には特定のタンパク質の異常が脳内炎症を起こしている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析に適切な対象患者の絞り込みが順調に進み、バイオマーカーとなりうるタンパク質の特定ができたと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
特定したバイオマーカーの簡便検査への適合性を早期に検討するとともに、モデル動物での病態形成の確認も並行させ、効率的に研究を進める。
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