Project/Area Number |
23K17460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 61:Human informatics and related fields
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
宮脇 陽一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (80373372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北崎 充晃 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90292739)
杉本 麻樹 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (50517399)
GOWRISHANK AR.G 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 客員研究員 (10570244)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥25,740,000 (Direct Cost: ¥19,800,000、Indirect Cost: ¥5,940,000)
Fiscal Year 2025: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,400,000 (Direct Cost: ¥8,000,000、Indirect Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 身体拡張 / 感覚知覚 / 脳 / バーチャル・リアリティ / ロボティクス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ヒトが生得的にもたない人工的な身体部位を自らの身体として受け入れることができるのか、受け入れやすい身体とはなにか、その限界はどこにあるのかという問いを、心理的・生理的・社会的側面から探求する。自らの身体に人工的な身体部位を装着する研究は、義手や義足のように、失われた機能を工学的に補う目的で行われてきた。対して本研究が目指すのは、生まれもった身体に6本目の指や、3本目の腕などの機能的な身体部位を新しく「追加」する拡張身体の実現である。これはいわば、マイナスをゼロにするのではなく、ゼロをプラスにする技術の実現への挑戦であり、これまでにない全く新しい研究分野の開拓につながる。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の初年度である今年度は、主として、拡張身体の身体化、限界、最適化の3つの課題に対して、心理物理学的アプローチと脳計測的アプローチで取り組んだ。その結果、以下の成果を得た:
【心理物理学的アプローチ】構造的水準、規模的水準、表層的水準という視点で実験条件の体系化を行い、実験プラットフォームの構築を開始した。構造的水準の例として、四肢の関節が通常と逆に曲がる身体をVRアバターで構築し、それへの順応を調べた。規模的水準の例として、手足のみからなるVR透明アバターの配置を操作し、通常よりも大きいあるいは小さい身体に対する身体所有感を調べた。表層的水準として、見た目を変身するシステムを構築し、変身する際に感じる変身感を心理的に計測した。これらの結果は、拡張身体の身体化プロセスを評価するとともに、その限界に関する知見を得ることに繋がるものであった。加えて、人工指を用いた実験プラットフォームにおいては、従来研究で実施した小指側方への装着に加え、人差し指と親指の間への装着実験を開始し、両者の比較により、装着部位の最適性を評価した。さらに、人間と機械が半自律的に協調動作する身体を操作した条件で身体所有感・行為主体感がどのように変化するかを検証する為、実環境のロボットアームを協調操作する実験系を構築した。実験を通じて、操作者と機械が目的を共有しているかどうかによって、有意差が生じることを検証した. 【脳計測的アプローチ】人工指を用いた実験プラットフォームにおいて、小指側方に人工指を装着し、それに順応した場合に脳活動がどう変容するかを評価し、あわせて心理物理学的に定量化した知覚の変化量との関係を解析した。また同様の実験と解析を、人差し指と親指の間への装着した場合でも開始した。これらの結果は拡張身体の身体化に伴う脳内表現を評価し、拡張身体の最適性に関する知見を得ることに繋がるものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心理物理学的アプローチと脳計測的アプローチを用いることで、拡張身体の身体化、限界、最適化について有用な知見を得ることができ、当初計画にある課題に予定していた手法で取り組むことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の二年度目にあたる次年度でも、これまでと同様に、拡張身体の身体化、限界、最適化の3つの課題に対して、心理物理学的アプローチと脳計測的アプローチで取り組むとともに、社会実験的アプローチにも取り組む。具体的には以下の課題を予定している。
【心理物理学的アプローチ】今年度体系化した構造的水準、規模的水準、表層的水準という視点で、引き続き拡張身体の身体化、限界、最適化に関して検証を行う。同時に、人工指プラットフォームを用いて開始した人差し指と親指の間への装着実験を更にすすめ、小指側へ装着した場合との定量的評価を可能にする。 【脳計測的アプローチ】心理物理学的アプローチと並行して人差し指と親指の間へ人工指を装着した場合の脳活動変容の実験と解析を進め、脳活動の観点から小指側へ装着した場合との定量的比較を可能にする。またVR環境を用いた人工身体の身体化プロセスについての脳活動計測の準備を進める。 【社会実験的アプローチ】簡易型拡張身体デバイスの体験結果が徐々に集まりつつあるので、それらの収集をさらに続けつつ、主に身体化と最適性の観点からの解析を開始する。
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