Project/Area Number |
23K17495
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
中川 眞 大阪公立大学, 都市科学・防災研究センター, 特任教授 (40135637)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | コーディネーター / 地域アートプロジェクト / ジェントリフィケーション / 旧同和地区 / 在日 / 東九条マダン / アートコーディネーター / アート / ソーシャリー・エンゲイジド・アート / コミュニティ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、アートとジェントリフィケーションという大きなテーマを視野に入れながら、歴史的に長年にわたって差別や社会的分断などに晒され、他者を受け入れることへの警戒や抵抗が強い地域コミュニティでの新たなアート実践の価値と、そこで活動する アートコーディネーターに求められる高度なスキルを解明する。基本的に、ジェントリフィケーションに抗するアート側の動きを追うものであるが、本研究の特色としては、アーティストを中心に据えない、という点がある。あるいはアーティスト不在のアート活動の質を担保するコーディネーターの働きに焦点を当てるといっても良い。研究地域は京都市東南部(下京区、南区)である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、崇仁・東九条地区でのアートコーディネーターの活動を中心に、地域コミュニティの取り組みを参与観察的に調査し、映像等によるドキュメンテーションとアーカイビングを実施する。それらのデータに基づく詳細な分析、解釈を行うこととし、2023年は歴史と自らのアイデンティティを確認しようとする地域住民による「東九条 空の下写真展 Vol.2」の実行委員会でのコーディネーターの動きを調査するとともに、崇仁・東九条地区で従前より展開されているアートプロジェクト、元小学校に生えていた樹木の挿木を地区内に10年かけて植樹する山本麻紀子の「崇仁すくすくセンター」プロジェクトと、地域を貫流する高瀬川に棲息している生物類の図鑑を作成するために調査や集会、イベントを繰り返す前田耕平のプロジェクトのサーベイを実施する予定であった。 「東九条 空の下写真展 Vol.2」は11月3日に東九条マダンの会場(元山王小学校)、11月18から19日に地域内3ヶ所の野外会場にて実施された。コーディネーターは「全体の進行と管理」「仕事の洗い出し、役割分担」「理念やガイドライン、写真使用許諾書等の検討」「地元の自治連合会への出席、書類作成」「トーク、ツアーコンテンツの検討と調整」「デザインまわりの進行管理(チラシ、展示パネルなど)」「情報保障に関する検討」「展示写真の選定補助、解説テキストの作成、展示準備」「プログラム当日の運営管理(シフト作成と管理など)」「広報、記録の管理」といった誠に多岐にわたる部分を担っており、それぞれの過程での行動について詳細な聞き取りを行った。 「崇仁すくすくセンター」プロジェクトは、山本個人のみならず地域住民との多様な共同作業について、山本を中心とする聞き取り作業を通して明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由は比較的単純で、2023年度は「東九条 空の下写真展 Vol.2」、「崇仁すくすくセンター」プロジェクト、前田耕平のプロジェクト、以上3つの事業の調査を行う予定であったが、前田耕平のプロジェクトに関して、実質的な調査は1度しかできず、その点、計画に及ばぬところが生じた。その他の点については予定通りに進捗したのみならず、京都芸大生を中心とする「モバイルガムラン」サークルの協力を得て、東九条マダンに実践的な参加・記録ができたことは大きな収穫であった。以上、差し引きを考えるとイーブンとなり、概ね順調に進展していると言って良い。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度と同様に、崇仁・東九条地区において、コーディネーターとアーティストの活動を参与観察を続ける。2024年度は次の調査を加える。1)2023年に移転してきた京都市立芸術大学が地域住民のために実施するアートプロジェクトを調査する。2)東九条地区における大型アート施設の計画工程を注視、調査する。 3)東九条地区に2019年にオープンした劇場 THEATRE E9 KYOTO の活動を調査する。
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