Project/Area Number |
23K17531
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 4:Geography, cultural anthropology, folklore, and related fields
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
細道 一善 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (50420948)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | マイクロバイオーム解析 / HLA遺伝子 / ワオラニ族 / NGS / 細菌叢 |
Outline of Research at the Start |
ワオラニ族は人類における「ダイバーシティ」を考える上で極めて重要な遺伝資源であり、とりわけエクアドルの人々においては自分自身のルーツを探る注目度の高い研究対象である。これまで明らかになっていないワオラニ族の先祖や起源を明らかにすることは人類史を知る上で興味深い。また、医学的な面においても原始的な生活を営む人々の体内の細菌叢は我々のそれとはどのような違いがあるのか、健康を考える上で新たな知見が得られる可能性がある。何より、彼らの生活や文化の特徴が遺伝的多様性や細菌叢にどのように反映されているのか、学術的興味に加え、今後様々な民族を調査する上で有用なツールとなる可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
エクアドルは豊かな人種の多様性と文化を持つ国である。この多様性は、コロンブス以前の時代から存在していた複数の先住民族に加え、ヨーロッパやアフリカからの移民によって構成されたものである。エクアドルにおける集団の一つ、アマゾンで生活する先住民族ワオラニ族については、これまでの文化と言語による研究からでは集団の先祖起源が明らかになっていない集団である。彼らは猿の肉を主要な食料とする狩り中心の暮らしをしており、4000人に満たない集団サイズで、血縁を中心とした比較的小規模な集団を中心とした生活をしている。今もなお原始的な生活を営むワオラニ族は極めて貴重であり、人類の宝とも言える彼らの記録を後世に残していく必要がある。今年度は122検体のHLA-A、-Cおよび-Bについて、第3区域でのHLAタイピングを実施した結果、HLA-A に5アレル、HLA-Cに6アレル、HLA-Bに9アレルのみが認められ、HLA-A、-Cおよび-Bそれぞれにおいて28、30および21検体がホモ接合であった。さらに、このうち13検体 は3つの遺伝子がすべてホモ接合であり、3つのHLAハプロタイプ、A*02:11:01-C*04:01:01-B*48:02:01、A*31:01: 02- C *04:01:01- B *35:04:01、A *02:01:01- C *01:02:01- B * 15:04:01が認められた。これらの結果は4000人にも満たない集団でありながら、各血縁集団が比較的小さなグループとして別々に暮らすというワオラニ族の社会構造を反映していると考えられた。この成果は論文として報告した(Saenz Hinojosa S et al. Hum Immunol. 2024)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ワオラニ族の122検体のHLA-A、-Cおよび-Bについて第3区域でのHLAタイピングを完了した。集団遺伝学的な解析を実施し、1報の論文として報告した。口腔内細菌叢についてのデータを取得しており、ワオラニ族に特徴的な細菌種についての解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
ワオラニ族の口腔内細菌叢のデータ取得を進め、界・門・綱・目・科・属・種の分類群で種類と割合を可視化する。ワオラニ族の個々の細菌叢類似性を機械学習による次元削減のUMAP、ワオラニ族に特徴的な細菌種を統計学的手法のLEfSeを用いて解析する。UMAPでワオラニ族と都市部エクアドル人の口腔内細菌叢間の近接性を比較し、ワオラニ族に特徴的な細菌種についての解析を進める。
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