Project/Area Number |
23K17544
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 6:Political science and related fields
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
徳久 恭子 立命館大学, 法学部, 教授 (60440997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 重規 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (00292657)
山本 昭宏 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70644996)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 知識人 / 文化 / リベラル・モダニズム / 地域文化 / 祭り / 言説 / 社会的統合 / 行為規範 / 消費 / 連帯 |
Outline of Research at the Start |
本研究は文化による社会的統合の可能性が戦後政治の中でどのように語られ,制度化されたのかを明らかにしようとするものである。 戦後の日本では,人々の行為規範となる倫理や道徳の欠如が問題にされる一方で,封建的秩序や抑圧からの解放がさかんに求められ,個の解放と(再)秩序化が政治課題とされた。そこで期待されたのは,文化政策を通じた秩序形成であったが,この時期の政策は消費社会から自由でなく,消費と文化のあり方が問われた。 本研究は文化政策の2つの潮流を梅棹忠夫と山崎正和に代弁させ,彼らの思想とそれにもとづく実践(消費としての文化と身体化する文化)を検討することで,文化政策の可能性を見出そうとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
文化による社会的統合の可能性が戦後日本政治でどのように語られたか,政治過程で選別された支配的な言説と周辺化された言説はどのような政策を予定したかを解明するために,本年度は知識人研究を中心に研究を進めた。具体的には,大平正芳首相の政策研究会で活躍した知識人のうち,梅棹忠夫,山崎正和,黒川紀章に注目して研究代表および分担者が独自に検討を進めながら,定期的に開かれた研究会で知見の統合を図った。その過程で,知識人の有するその時々の「時代の見立て」が文化による社会統合のあり方への期待を変化させる可能性があることが明らかになった。 「時代の見立て」という表現は不慣れなものかもしれないが,ポスト産業社会への見通しは時代と論者により異なった。本研究では,ポスト産業社会への展望が否定的なものから肯定的なものへ移る過程で,「文化」への期待が高まり,政策的な位置づけが変化した(≒議題設定)という仮説を得た。この解明が来年度以降の課題となる。 そこで重要になるのが大衆文化としての「地域文化」である。ポスト産業社会においては「マス(大衆)」と文化の関係が問い直されるため,大衆の参加が容易な次元,すなわち,「地域」の文化であることが重要視される。地域文化としての祭りに注目した研究は社会学や地理学,文化人類学などで多くの実績があるが,政治的な意味を正面から捉えた研究は限られている。この課題を検討するために,ゲストスピーカーや新たに招聘した研究協力者を招いた研究会を開き,検討を重ねた。 あわせて,地域文化として戦後に「創られた」祭りである高知市のよさこい祭りの参与観察を行い,社会統合の意味を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の採択が6月末に行われたため,本研究が研究対象とする地域文化の中核的事例であるyosakoiソーラン祭りの参与観察を行うことができなかった(例年6月第2週目に実施)。このため,対象への研究メンバーの基本理解の共有が部分にとどまった。この理由から「やや遅れている」と評価した。 ただし,理論的な研究については順調に進んでおり,この点については「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトが注目する知識人である山崎正和が期待した地域文化,なかでも「創られた」「柔らかい」地域文化の例に据えられる,yosakoiソーラン祭りの参与観察や大会関係者のヒアリング,道内外のチームへのヒアリング等を行う。道外のチームも対象にするのは,山崎が文化のもつ創造性は流動性により担保され,複次元からなる空間(出入り可能な文化圏)の創造を期待した意味を把握するためである。 同時に,山崎の思想の相対化を図る。この時期の知識人たちは知的サロンにおける交流を続けており,彼らの指向性に応じた類型が可能と考えられる。本研究ではそれを「リベラル・モダニズム」と呼ぶが,その解明をめざす。 そのうえで,彼らの言説がどのように政治の場に入力され,出力されたか,総体としてどのような成果を社会に与えたかを言説分析をつうじて明らかにしたい。 最後に,可能であれば,仮想現実空間が広がる社会における「文化」や「社会統合」のあり方についても検討したい。
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