How Empathy and Cooperation Develop - An international survey using the first Internet-lab-in-the-field experiment
Project/Area Number |
23K17545
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 6:Political science and related fields
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
原田 勝孝 福岡大学, 経済学部, 准教授 (30738810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 夏美 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 助教 (00897879)
森川 想 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (10736226)
三上 亮 信州大学, 学術研究院社会科学系, 講師 (40961636)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | インターネット / フィールド実験室実験 / 災害 / 経済実験 / 協調行動 / 社会的選好 / 災害研究 / レガシー |
Outline of Research at the Start |
フィールド実験室実験は歴史事象の社会的影響を調査する方法であり、処置群と対照群の地域を比較して影響を推定します。この課題では、複数の実験室を設営する代わりに、Webサイトを使用して被験者を誘導し同時に行動実験を行う新手法を開発します。この新手法は導入コストが安価であり、被験者の代表性が高く、柔軟なペアリングが可能です。また、この研究は先進国における歴史事象の社会的選好への影響を明らかにし、政治的成熟や経済発展のミクロ的基盤を解明します。具体的には、日本と南アジア諸国で自然災害や戦争などの歴史事象の社会的影響を調査し、協調行動の促進条件や社会的選好の世代間伝播メカニズムを解明します。
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Outline of Annual Research Achievements |
利他性や協調性などの他者との関係性に基づく選好(社会的選好)は、一般的な質問票調査では正確に測定することが難しいため、参加者が行うゲームを用いた経済実験が有効です。従来、この種の研究は地域ごとに設置した実験室で行われてきましたが、我々は、インターネットを活用して実験室の設置なしに研究を行う「インターネットフィールド実験室実験」という方法を開発しました。この方法では、被験者をウェブサイトに誘導し、オンライン上で経済実験を行うことで、広範な地域からのデータ収集が可能になり、研究の効率化が図られています。 本課題は、この手法を発展させ、方法論の確立と国際的な展開を目指しており、特に令和5年度は、効果的な研究成果を限られた予算内で達成するための戦略策定に重点を置いています。この戦略には、国際間の比較研究におけるロジスティックな問題の解決や、フレームワークの策定などが含まれます。また、被験者をどのようにリクルーティングするかという課題に対しても、新しい選択肢の検討を行いました。 具体的には、この年度においてスリランカを研究の対象地として選定しました。スリランカは過去に内戦、財政破綻、津波など複数の災害や苦難を経験しており、これらの組み合わせが地域住民の社会的選好に与える影響を考える上で貴重なケースとなります。経済実験においては、従来利用されていた最後通牒ゲームから、より直接的な社会的選好を測定できる公共財供給ゲームへの変更を検討中です。 最後に、被験者リクルーティングの方法にも見直しを加えました。以前はインターネット調査会社からのサンプル提供を利用していましたが、その方法では歩留まりが悪く、コストパフォーマンスに問題がありました。そこで代替としてクラウドソーシングサービスを利用する方向で検討を進めています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題はインターネットフィールド実験室実験という我々の開発した新手法を発展し、歴史的事象が現代社会に与える影響を国際的に評価することを目的としています。令和5年度は、主に研究方針の策定を行う段階であり、具体的な実験やデータ収集は行われていません。本年度の進捗は予定していたスケジュールからやや遅れておりますが、その主な理由は以下の二点です。 第一に、研究代表者の家族が病気になり、急遽介護が必要となったため、研究活動に割くことができる時間が秋頃に制限されました。この問題は現在解消しており、研究活動も通常通り再開していますが、この期間の遅れが進捗に影響を及ぼしました。第二に、研究代表者が所属する大学の異動があり、環境への適応に伴う業務の調整が必要となりました。異動による業務の中断と再配置が研究スケジュールの遅延を招く一因となりました。 これらの影響を受けつつも、研究チームは以下のような進捗を遂げています。実験担当の分担者らは、経済実験プラットフォームの構築に取り組んでおり、プラットフォームの基本的なフレームワークを策定しています。海外担当の分担者は、スリランカでのリエゾン構築と実験実施者の選定を進めて、来年度行う本調査への準備を進めています。私自身は海外担当の分担者と共に、被験者のリクルーティングを含む実験方法の詳細についての検討を進めており、これらの活動は本年度実施予定の研究方針の学会発表に向けて、基盤を固める重要なステップです。 今後の計画としては、令和6年度にこれらの研究方針を発表し、他の研究者らからのフィードバックを経て、最終的な研究計画を確定させる予定です。このフェーズを経ることで、令和7年度の本格的な調査実施に向けて、より精密で効果的な研究設計を行うことが可能となります。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題はインターネットフィールド実験室実験という我々の開発した新手法を発展させ、歴史的事象が現代社会に与える影響を国際的に評価することを目指しています。今後の推進方策としては、以下のステップを計画しています。 令和6年度には、冬の計量・数理政治学会で、この年度で行ってきたこれまでの準備作業と研究方針策定の成果を研究計画としてポスターで発表し、政治学や経済学分野の専門家からのフィードバックを収集する予定です。このフィードバックをもとに、研究計画を最終確定し、可能であれば年度内に何らかの事前実験を行いたいと考えています。そして、そこから得られたフィードバックを元に修正を行い、最終的な研究の事前登録を行う予定です。これらのプロセスを通じて、実験に伴う不確実性を低下させ、実際の実験実施に向けての準備を整えます。 研究の進め方ではいくつかの変更を行う予定です。具体的には、研究代表者の所属大学の異動や家族の介護問題で計画に若干の遅延が生じたため、ペースメーカー的な役割として2ヶ月に1回定例ミーティングを行い、各メンバーが進捗状況を報告し合うことにしました。これにより、研究分担者間でのコミュニケーションもより円滑になることを期待しています。 令和7年度には、これらの準備を経て、本格的なデータ収集と実験を開始する予定です。一方で、国際情勢や予測不能なイベントにより効果的なフレーミングが浮上した場合はそれを柔軟に研究デザインに取り入れる予定です。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)