Project/Area Number |
23K17546
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 7:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 慎一 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00221531)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 選挙 / パンデミック / 日本経済 / 景気循環 / コロナ禍 / 構造改革 / 経済成長 / 政治的景気循環 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、コロナ禍で落ち込んだ経済が回復する過程で、「選挙のタイミング」が経済の回復力にいかなる影響を及ぼしたかを国際比較を通じて分析することである。新型コロナ感染症のパンデミックは、世界経済に史上最大級の停滞をもたらした。しかし、大きく落ち込んだ経済が回復する過程では、その回復スピードに国ごとで大きな差がみられた。このような経済回復スピードの差は、さまざまな要因が複合的に作用して生まれたといえる。しかし、本研究では、「選挙のタイミング」が、本格的な経済活動の再開や痛みを伴う構造改革を遅らせたことで、経済の回復を大きく遅らせた可能性を理論的・実証的に探求する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、コロナ禍で落ち込んだ経済が回復する過程で、「選挙のタイミング」が経済の回復力にいかなる影響を及ぼしたかを国際比較を通じて分析することである。新型コロナ感染症のパンデミックは、世界経済に史上最大級の停滞をもたらした。しかし、大きく落ち込んだ経済が回復する過程では、その回復スピードに国ごとで大きな差がみられた。たとえば、米国では、2021年の早い段階でGDPがコロナ前の水準を回復した。また、一時的な落ち込みが深刻だった欧州諸国の多くも、2021年末にはGDPがコロナ前の水準を回復させた。これに対して、日本は、一時的な落ち込みこそ相対的に小さかったものの、GDPがコロナ前の水準を回復するのに時間がかかった国の1つであった。このような先進国間での経済回復スピードの差は、さまざまな要因が複合的に作用して生まれたといえる。たとえば、日本の回復が遅れたことには、他の先進主要国と比較して、もともと潜在成長率が低かった上に、脆弱な医療体制やワクチン接種の遅れなども影響した可能性がある。しかし、本研究では、それら要因に加えて、「選挙のタイミング」が、本格的な経済活動の再開や痛みを伴う構造改革を遅らせたことで、経済の回復を大きく遅らせた可能性を探求した。「選挙のタイミング」が経済活動に影響を及ぼす可能性に関しては、選挙のタイミングが景気変動を大きくすることを明らかにした「政治的景気循環」が古くから行われてきた代表的な研究である。しかし、パンデミックのもとで落ち込んだ経済の回復スピードの差を、選挙のタイミングで説明しようとする試みは研究者代表者が知る限りこれまで存在しない。このため、経済学に政治学の要素を取り入れてポストコロナに向けた経済活動の回復過程を国際比較によって分析しようとする本研究の試みは、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させる潜在性を有する挑戦的研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、複数の若手研究者を研究協力者とする研究グループを組織し、データ収集及び分析を多角的に展開する体制を整えた。また、本研究が分野横断的な研究であることから、それぞれの成果に対して、他分野の研究者、政策当局者、および実務家からレビューを受ける体制を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、パンデミックの前後で、世界各国でどのタイミングでどのような選挙が行われたかを調査することがもっとも重要となる。本研究では、コロナ禍で実施あるいは延期された選挙を各国別に網羅したInternational IDEAのGLOBAL OVERVIEW OF COVID-19 IMPACT ON ELECTIONSをベースとし、それを各種ニュースサイトやその他資料で補足することで実施する。また、各国の感染状況等に関する情報は、Our World in Dataをもとに収集する。各国の経済データは、OECD、IMF、World Bankといった国際機関が公表するデータベースとし、それを各国が公表するデータで補足することで収集する。
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