Project/Area Number |
23K17563
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 8:Sociology and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井内 加奈子 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (60709187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 泰士 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (40619847)
地引 泰人 東北大学, 災害科学国際研究所, 客員研究員 (10598866)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 災害・気候変動対策 / 国際開発援助 / 社会的公正 / 沿岸インフラ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、工学的な技術展開に基づく防災・減災を謳った国際援助において、減災先進国の政府・非政府・民間等の参加主体が有する事業推進の理念や方針、行った判断を調査し、独自技術の輸出競争になっているとも考えられる現状と、事業実施が地域住民の社会経済活動や生活に与えた影響を探索的に把握することを目的とする。国際開発スキームでの減災先進国による沿岸インフラ整備は、洪水に脆弱な地域のニーズに合致しない、一方的な投資になっているのではないかと問うことで、ドナーの論理による援助実態を把握し、地域の社会的公正性が保たれる防災・減災投資のあり方を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、工学的な技術展開に基づく防災・減災を謳った国際援助において、減災先進国の政府・非政府・民間等の参加主体が有する事業推進の理念や方針、行った判断を調査し、独自技術の輸出競争になっているとも考えられる現状と、事業実施が地域住民の社会経済活動や生活に与えた影響を探索的に把握することを目的とする。国際開発スキームでの減災先進国による沿岸インフラ整備は、洪水に脆弱な地域のニーズに合致しない、一方的な投資になっているのではないかと問うことで、ドナーの論理による援助実態を把握し、地域の社会的公正性が保たれる防災・減災投資のあり方を検討する。 3年にわたり実施する本研究の第1年目は、研究立ち上げの段階として、日本・オランダの支援アプローチや参加主体を洗い出すための方法について考察し、データ収集・分析のための枠組み検討を開始した。また、インドネシアのジャカルタ湾とフィリピンのマニラ湾での実施中の事業や参加主体についての情報収集を開始した。2024年2月には、遠隔では入手しにくいマニラ湾の開発状況について、Philippine Reclamation Authority(PRA:フィリピン埋立当局)を含むステークホルダーへのヒアリングと現地視察を行い、同じ湾内においても、事業は湾に接する各自治体との連携のもと様々な政治ダイナミックスで実施されており、地域レジリエンスへの影響確認には、詳細な対象地域を絞る必要性があることを明らかにした。さらに、オランダとインドネシアの研究協力者との連携のもと、沿岸管理の思想についての情報交換を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、防災・減災を謳った減災先進国の事業の評価にむけて、日本・オランダの支援アプローチや参加主体を洗い出すための方法について考察し、データ収集・分析のための枠組み検討を開始した。さらに、ジャカルタ湾とマニラ湾での実施中の事業や参加主体についての情報収集を開始したほか、マニラにおいてPhilippine Reclamation Authorityへのヒアリングや現地視察を行っている。また、オランダとインドネシアの研究協力者とも、情報の共有を開始しており、研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の2年目となる2024年度は、前年度に開始した日本・オランダの支援アプローチや参加主体を洗い出すための方法や、データ収集・分析のための枠組みを更新しながら、防災先進両国の事業アプローチや参加主体に関する共通点・相違点を分析する。また、ジャカルタ湾とマニラ湾(前回の現地調査中には、国際政治的な状況から事業が停止していたため、研究遂行が難しい場合には同様の環境下にある別事業を選択)において、対象事業(事業・工区)の選定を行い、事業の進捗の具体、沿岸インフラ整備に関する技術の検討、事業実施のための計画手法を把握・整理する。また、インフラ整備により地域の災害リスクの低減や住民の社会経済活動・生活への影響を把握する。
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