Project/Area Number |
23K17579
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 祥子 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (40423248)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 医療教育 / 医療倫理 / 生殖医療 / 死生観 / 認知バイアス / 不妊治療 / 生殖補助医療 / 倫理 / 医療系学生 |
Outline of Research at the Start |
現在、広く普及する生殖医療では他者の生命の存亡を含む意思決定支援が含まれる。一方で、急速に発達している基礎発生生物学・医学がもたらす知識が、医療者にどのように受け止められて支援構築に生かされているのかは明らかではない。本研究では複数の医療職学生に対して質問紙調査やインタビューなどを行い、基礎生物学研究成果の受け止めや死生観・倫理観を明らかにし、死生観や倫理観を反映させた情報提供や意思決定支援構築を学ぶための枠組みを考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、広く普及する生殖医療において、生殖科学技術の知識が医療者にどう受け止められ支援構築と関連しているか、また、これを 支える死生観の涵養について明らかに することである。NIPT(出生前診断)では母体血に含まれるごく微量の胎児由来無細胞性DNAを弁別し次世代シーケンサー (NGS)により解読する技術が含まれる。また、着床前診断では胚盤胞の栄養芽層からの細胞採取が主流となっているが、ヒト胚におけるモザイキズムの存在は着床前診断の診断結果解釈に大きな影響を及ぼすことが知られている。しかし、意思決定支援する医療従事者(主に看護職や遺伝カウンセラーなど)が、これら診断技術の背景にある技術や知識が診断結果がもたらす特徴についてどう理解し支援を行なっているかどうかは定かではない。さらに、意思決定支援では、支援者の死生観は被支援者に影響すると思われるが、生殖科学技術や知識への理解と死生観の涵養の関係についての洞察は多くないと思われた。そこでこれらの現状を明らかにするために国内外の文献について文献レビュー・NIPTに直結する技術革新に関する研究のレビューを行った。結果、ゲノム医療や遺伝看護などに必要な知識教授については、シラバスの精査などの報告があるものの、NGSやモザイキズムなどへの言及までは報告上では見つけることができなかった。さらに、特に死生観については、がん領域など「死」に関する意思決定支援に関する言及は存在するものの、中絶を含む周産期医療の意思決定支援における死生観の関係を見たものは見つからなかった。また、高校以上の教育機関における生物学の教授内容を精査し、看護系学生へ知識の定着度について予備的なインタビューを行ったところ、分子生物学やゲノム科学の知識がNIPTや着床前診断結果解釈にどう影響するのかについての理解は浅薄であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍に基礎教育時代を過ごした学生が大学院院学後に臨地実習を行うにあたり、看護基礎教育における到達度の低さから予算獲得当初に比べて想定以上に臨地での指導教育業務の過多状態となり、十分な研究時間を割くことが困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降には、プレリミナリーに行っている文献検討の精査を進め、実際に出生前診断に従事している医療者や医療系学生に対して、生殖科学の知識と受け止めと支援時の思いについて明らかにする。医療系学生については、生命科学の先端技術や知識の理解とその定着や解釈に着目して明らかにし、その上で支援にあたることを想定した際の思いを明らかにする。このために、高校生物の教科書を元に、教養としての生物学の知識から生命科学の先端技術の理解度を問うための一連の質問紙表を作成する。また、支援を行う際に、生命科学先端技術の知識がどのように支援時への態度に影響しているかについて、少数に半構造的インタビューを行うためのインタビューガイドを作成する。死生観について、従前の研究結果の検討から、「死」に着目した死生観尺度や研究は存在するものの、「生」に着目した単独のものは存在しなかった。また、英語文献の文献検討においても、2000年以降では死生観について直接的に問うているものが少なく、本研究目的に沿った尺度の使用は困難であると考えている。本研究は、意思決定支援時の態度に影響を及ぼす死生観の涵養の様子に焦点を当てることを目的としているが、支援者の死生観を近年研究発展の著しい種々の認知バイアスとして理解することにより適切な尺度を使用しなくとも現象の解析が可能ではないかと考えられる。 また、医療系学生のみならず医療者にも支援時の思いに焦点を当てインタビューを行いたい。この中では支援にあたるにあたって先端技術への理解を問うものとするため、インタビューガイドを作成する。現在、着床前診断は個別倫理審査が行われている一方でNIPTに関しては広く非認定医療機関でも検査が行われているため、認定医療機関で意思決定に従事する者のみならず非認定期間での従事者にもリクルートを行うことを計画している。
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