Development of Mathematical Competency through Inquiry-Based Learning System in Secondary School Mathematics
Project/Area Number |
23K17612
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大谷 実 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50241758)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 中等学校 / 数学科 / 探究的課題学習 / 数理コンピテンシー |
Outline of Research at the Start |
新学習指導要領の総則において指摘されているように、新しい時代の数学はもはや自己完結的なものではなく、総合的な探究の時間やすべての教科・科目で他教科との連携を視野に入れつつ、探究的な課題学習を位置づけていくことが重要であるとされている。しかし、探究的活動や教科横断的な視点で教育内容を組み立てることは、カリキュラム・マネジメントの問題として各学校に委ねられており、手探りで局所的な実践に留まっているのが現状である。 本研究では、数理コンピテンシー育成のために、総合的な探究、数学の授業、そして課外活動の3つのレベルを包摂する課題学習システムの具体的実践を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中学校・高等学校において探究の過程を通して課題を解決するために必要な数理コンピテンシーを、中学校と高校と大学の教員が連携して育成する「探究的課題学習システム」を構築することを目的としている。 本研究は、この目的を達成するために、次の3つのレベルでの課題学習のシステムを開発する:① 総合的な(探究の)時間において,STEMを意識した、チームで協働して長期間にわたって取り組む課題学習のモジュールを開発し実践すること。② 数学の授業において,他教科と連携した教科横断的な課題学習を開発し実践すること。そして、③ 課外活動において異学年にわたる「数理クラブ」を組織し、日常や社会生活の事象を数理的な視点で考察する生徒による自主ゼミナールを組織すること。 研究方法として、本研究ではオランダの中等教育におけるSTEM的な教科やコンテスト、数学科の教材モジュール、中等教育修了資格試験に着目し、金沢大学附属中学校及び高等学校の数学科の教員チームと共同し試行実践を行う。特に、オランダの中等教育の我が国にない特徴として、総合的な学習ではSTEM的な教科「自然・生活・テクノロジー」や社会課題に数学を活用する「現実的数学教育論」に基づく探究的な学習課題の開発、課外活動では「全国共通試験」のSTEM的な数学の評価課題の開発が豊かである点である。 本年度は、総合的な学習に関しては、教科NLTのモジュール及びA-lympiadコンテストの課題、授業に関しては数学科教科書、課外活動に関しては「全国共通試験問題集」の翻訳と分析を通して、日本の数学科に相応しいモジュールを一つずつ特定し、それらの改良を行 いつつ、3つのレベルで6年間に亘る探究的学習課題をデザインする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高等学校数学科の探究的課題学習システムに関しては概ね順調に研究を進めることができた。実際、総合的な学習ではSTEM的な教科「自然・生活・テクノロジー」(Natuur, Leben en Techno logie)はやや資料収集が遅れたが、「現実的数学教育論」(Realistic Mathematics Education)に基づく探究的な学習課題であるWiskunde Alympiad、課外活動では「全国共通試験」(Central Exam) のSTEM的な数学の評価課題を翻訳することができた。しかしながら、中学校においてはオランダの中等教育下部構造(日本における中学校)におけるSTEM的な教科やコンテスト、数学科の教材モジュール、評価課題を十分見いだすことができなかった。年度末に現地調査を行い、中学校段階におけるSTEM的な課題について現地での調査を計画していたが、研究代表者自信が能登半島地震で罹災し、十分な時間を確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
能登半島地震からの復興は遅々としているものの、今後は、初年度で十分達成できなかった高等学校における総合的な学習ではSTEM的な教科である「自然・生活・テクノロジー」(Natuur, Leben en Techno logie)とそれを高大連携で実施するU-Talentプログラム(高校生がユトレヒト大学で総合的な探究学習を行うプログラム)について資料収集を行うとともに、中等教育下部構造(日本における中学校)におけるSTEM的な教科やコンテスト、数学科の教材モジュール、評価課題を現地調査を通じて資料収集する。また、次年度は、四年に1回開催される数学教育世界会議があり、本研究課題に関連するトピック・スタディ・グループ(TSG)「課題開発で分析」の組織メンバーになっており、このグループでの協議を通して資料を補完する。 当初2年目の研究計画として立案した附属中学校・高等学校の総合的な(探究)学習、数学科授業、そして中高異学年での「数学クラブ」のそれぞれで他教科教員からも支援をうけながら実践を行なう。最終年度には、生徒のレポート作品、VTR撮りした授業記録や生徒のワークシート、クラブ活動での主体的な取り組みをもとに、モジュールの評価・改善を重ね、3つのレベルの相互補完性、各学年系統性やカリキュラムのアライメントを視点に評価・改善し、新しい探究的な課題学習の総合的なシステムを提案する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)