Project/Area Number |
23K17615
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉敷 哲生 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (30294028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若本 和仁 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50419470)
向山 和孝 大阪大学, 大学院工学研究科, 特任研究員 (80743400)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 将来可能性教育 / フューチャー・デザイン / 高大連携 / 意思決定 / ワークショップ・デザイン |
Outline of Research at the Start |
本研究では,フューチャー・デザインの概念に基づき,ヒトが有する「将来可能性」を認知し,思考訓練を実施し,トレードオフを検討することにより,近視性や楽観性を乗り越えた意思決定を効果的に行う「将来可能性教育」を定義し,その教育手法の構築と,教育現場においてその手法の有効性の検証に取り組む.具体的には,「自治体における人口減少と将来ビジョンの検討」や「防災とリスクコミュニケーション」など将来世代への負担が高いテーマを設定し,ワークショップのデザインを検討した上でワークショップを実施し,アンケートなどのデータ分析を下に,参加者の思考の変化や,将来可能性を賦活するための仕組みの分析を推進する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,フューチャー・デザインの概念に基づき,ヒトが有する「将来可能性」を認知し,思考訓練を実施し,トレードオフを検討することにより,近視性や楽観性を乗り越えた意思決定を効果的に行う「将来可能性教育」を定義し,その教育手法の構築と,教育現場等においてその手法の有効性の検証に取り組んでいる.具体的には,「自治体における人口減少と将来ビジョンの検討」や「防災とリスクコミュニケーション」など,将来世代への負担が高い研究課題を設定し,ワークショップのデザインを検討した上でワークショップを実施し,アンケートなどのデータ分析を下に,参加者の思考の変化や,将来可能性を賦活するための仕組みの分析を推進している. 研究初年度である令和5年度は,まず,研究課題として次の4分野を設定した(A.人口減少下の自治体における施策検討,B.防災とリスクコミュニケーション,C.持続可能な食を支える食育推進,D.中小企業の製造現場職員を対象とした持続可能な事業の検討).各課題に対し,将来可能性教育の手法として,次の3つのステップ(①将来可能性の認知,②現在世代・仮想将来世代の立場での思考訓練,③トレードオフの検討)からなるワークショップのデザインを構築し,それぞれ4つの研究課題を対象としたワークショップを企画し社会実験を推進した.各ワークショップの成果について,共起ネットワークによる分析やアンケートなどのデータ分析を行い,参加者の思考の変化等について考察を進めた.これらの研究実績について学会発表を通じて成果発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究初年度である令和5年度は,研究課題として4分野(A~D)を設定し,各課題におけるワークショップを将来可能性教育に基づき実践した. 「A.人口減少下の自治体における施策検討」については,高大連携の一環として高校生80名弱を本学に招き,大阪府下のA自治体の協力の基に,未来の視点から自治体の施策を検討するワークショップを行った.特に,将来可能性の認知として重要である情報のバイアスに着目し,ワークショップ中に与える情報が参加者の意識変化に及ぼす影響を分析し,応用地域学会等においてその成果を発表している. 「B.防災とリスクコミュニケーション」については,高大連携の一環として,今後,東南海トラフ地震の影響が危惧される四国地域においてB高校の協力の下に,高校生を対象に将来可能性教育に基づく防災ワークショップを実践した.アンケート分析により,現在世代と仮想将来世代では公助・共助・自助に対する意識が変化することを確認しており,その結果について学会を通じて成果発表を行っている. 「C.持続可能な食を支える食育推進」については,消費者としての市民に対する持続可能な食に関する教育に仮想将来世代の視点を導入し,大学生を対象に30年後の食と社会のために今何をすべきかを検討する将来可能性教育の演習を実施した.その成果について論文や学会発表を行っている. 「D. 中小企業における持続可能な事業の検討」については,製造現場職員を対象に,現在世代と仮想将来世代での事業提案ワークショップを行った結果について,アンケートによるデータ分析や,ワークショップ後の意識変容に関する調査を推進した.これらの結果に関して学会を通じて成果発表を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度である令和5年度は,将来可能性教育に基づくワークショップのデザインの基礎を構築し,4分野の研究課題に関するワークショップを実践した.いずれの分野に関しても,事前情報の検討(ワークショップ中にどのタイミングでどの程度,情報を提供するか)や,グループ演習において参加者がグループとしての共通見解に辿り着くプロセスの分析(ワークショップ中に参加者が記載した付箋紙等の項目の分析),さらに,ワークショップ前後における参加者の意識変容の分析(アンケートで問うべき評価項目の検討や,参加者の個人属性の影響)が重要となる知見を得ている. これらの令和5年度の研究成果で得られた結果や知見を基に,将来可能性教育のさらなる手法の高度化を検討するとともに,令和6年度も引き続きワークショップを企画・実践し,将来可能性を賦活するための仕組みの分析をさらに推進する.
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