Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
色は主観的な感覚であり、光波長の物理特性の違いと、青、緑、赤などのクオリアの関係に必然性はない。また、同じ光波長に対する個人間でのクオリアの同質性の証明は難しい。本研究では、色覚多様性に着目し、少数派の色覚を持つ人において、知覚特性や、多数派の言語体系に合わせた色彩語の習得がどのようにクオリアに影響するかを、量的および質的に分析する。特に、同じ物理刺激に対しクオリアが変化する現象に焦点を当て、あいまい図形に対する知覚交替に類似する短期的な変化の実験的検討と、言語との結びつきによる長期的な変化に対する現代哲学の言語論からの分析を試みる。