Project/Area Number |
23K17647
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 10:Psychology and related fields
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
甲斐田 幸佐 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (80586264)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 睡眠 / 記憶 / 感情 / 感情夢 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、感情夢が過去と現在の記憶の矛盾を減少させることを実証する。ヒトは日常生活でストレスを受けると悪夢を頻繁にみることが知られている。しかし、感情夢の機能が不明であるため、対処法が定まっていない。一部の研究者は、夢の生じやすいレム睡眠に、感情の高ぶりを抑える「治療効果」があると考えているが、その心理的作用機序は不明である。本研究の挑戦的意義は、感情夢と記憶変容の関係性を世界で初めて明らかにし、睡眠に関わる心理学研究飛躍のための端緒を開こうとする点に集中している。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒトは日常生活でストレスを受けると悪夢を頻繁にみることが知られている。しかし、感情夢の機能が不明であるため、対処法が定まっていない。一部の研究者は、夢の生じやすいレム睡眠に、感情の高ぶりを抑える「治療効果」があると考えているが、その心理的作用機序は不明である。近年、応募者らは、記憶変容が、ノンレム睡眠や覚醒中と比べて、レム睡眠中に生じやすいことを明らかにした。この発見から、レム睡眠中の感情夢には、過去と現在の記憶の矛盾を減少させ、社会環境への心理適応を促す機能があるのではないかと着想した。感情夢の機能を知ることは、心の働きを理解するための重要な研究テーマであり、睡眠科学にパラダイムシフトをもたらす可能性を秘めている。本研究の目的は、感情夢が過去と現在の記憶の矛盾を解消する機能をもつことを世界で初めて明らかにすることである。本研究では、「後知恵バイアス課題」を用いて、睡眠中の記憶の変容度を定量化する。後知恵バイアスとは、最初に保持していた記憶が、あとから与えられる情報によって変容する現象である。後知恵バイアスには、過去と現在の記憶の矛盾を減少させる効果がある。たとえば、「キリンの平均身長は何センチメートルでしょう?」という質問に対して、実験参加者は300センチと推測して回答したとする。次に、実験参加者は「正答」である480センチを記憶する。一定時間後に「あなたが最初に推測したキリンの身長は何センチでしたか?」と訊ねると、実験参加者の回答は、あとで記憶した「正答」に近い値(順方向)に変容することが分かっている(例えば、380センチ)。本年度は、実験開始に必要な文献調査を行い、記憶変容を定量化するための「後知恵バイアス課題」を作成した。また、実験のための予備的検討を行い、実験開始体制を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
記憶変容を定量化するための「後知恵バイアス課題」の作成に時間を要したため、実験の開始まで至らず、進捗がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、予備実験を行なって実験体制を確認したあと本実験を行い、統計解析に必要なデータ数の確保を目指す。
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