Project/Area Number |
23K17658
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 13:Condensed matter physics and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥谷部 祥一 東北大学, 工学研究科, 教授 (40453675)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | バイオ技術 / PCR / ブロッカー法 / エラー制御 / バイオテクノロジー / 非平衡物理学 / DNA |
Outline of Research at the Start |
PCRはウイルス検査などに応用されている,バイオ技術の中心的技術である.しかし,エラーが避けられず,ウイルス検査における偽陽性の原因となっている.本課題は,物理学的視点を取り入れて,バイオ技術の革新的なパフォーマンス向上を目指す.特に,従来のエネルギー論的制御の限界を超える速度論的な「超」エラー制御に挑戦し,これをPCR等に応用して,その効果を実験で実証する.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度,計画していた2つの研究を主に進めた. 1つは,PCRによるウイルス検査で用いるブロッカー法の拡張である.ブロッカー法は,間違ったプライマー結合をブロックしてエラーを抑制する方法で,反応速度を落とさずにPCRのエラーを劇的に抑制できる.ただし,この方法は既知のエラーに対応した特異的なブロッカーを用いるため,エラーが未知である場合は使えず,実用性に限界があった.そこで,複数の配列のブロッカーを用いてエラーを抑制するという新しい方法を試したところ,未知のエラーに対してもエラーを抑制することができることを実証した.特に,網羅的な実験によりモデル化に成功した.これは,他の鋳型配列などにも応用できる技術の開発成功を意味し,波及効果が期待できる.現在,論文の執筆をほぼ終えた状況であり,2024年度の初めに投稿予定である. もう1つは,カスケードによるエラー抑制の開発である.生体内では,速度論的校正という多段階のメカニズムにより,掛け算的な情報複製のエラー抑制を実現している.この方法は極めて強力だが,複雑なため,バイオ技術に応用されていない.我々は,DNAライゲーションによるDNA複製がカスケード的な反応によるエラーを掛け算的に抑制できるというアイデアを得て,これをバイオ技術へ応用することを試みた.今年度,この実証実験を行い,確かに,DNAライゲーションで掛け算的にエラーが抑制できるということが分かった.ただし,そのためにはある程度条件を調整する必要があることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通りに実験が進んでおり,ブロッカー法に関しては,現在,論文を準備中である.
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Strategy for Future Research Activity |
ブロッカー法によるPCRの未知エラー抑制に関しては,論文執筆を進め,2024年度の初めに論文投稿を行う.また,カスケードによるエラー抑制については,実験条件のさらなる検討を進めて,カスケードが生じる条件を探る.データが撮り終わり次第論文を執筆し,2024年度前半に投稿する.
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