Project/Area Number |
23K17669
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 13:Condensed matter physics and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
幸坂 祐生 京都大学, 理学研究科, 教授 (80455344)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 物性実験 / 低温物性 / 走査プローブ顕微鏡 |
Outline of Research at the Start |
電子間の強い相互作用は様々な予期せぬ現象が起きる源泉となっており、その探求は凝縮系物理学における中心的研究課題の一つである。例えば、分数量子ホール効果・高温超伝導・超巨大磁気抵抗などが知られており、その影響は、巨視的量子効果・巨大応答・電荷の自発的ナノスケール構造化など多岐にわたる。本研究では、そのような非自明な現象の根源にある電子間の相互作用を原子分解能で直接検出し、新規量子凝縮相の探索・検証に用いる新たな手法を開拓する。
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Outline of Annual Research Achievements |
量子多体効果は様々な電子物性が創発する源泉であり、凝縮系物理学における中心的研究課題の一つである。例えば、分数量子ホール効果・高温超伝導・超巨大磁気抵抗に象徴されるように、その影響は、巨視的量子効果・巨大応答・電荷の自発的ナノスケール構造化など多岐にわたる。本研究では、そうした非自明かつ多彩な量子状態の根源にある多体効果を原子分解能で直接検出することを目指す。そのための方法として、本研究ではトンネル電流雑音に注目する。雑音は平均値の周りでの時間的変動であり、平均値とは異なる物理量である。 本年度は、キタエフ量子スピン液体候補物質α-RuCl3について測定を行った。これまでに行った測定により、原子分解能の走査トンネル顕微鏡像が得られること、欠陥が存在すること、それらの欠陥の周囲には同心円状の振動構造が観測されること、を見出した。この振動構造は、既知の振動現象(電荷密度波・フリーデル振動・準粒子干渉)とは異なるエネルギー・波数特性を持つため、新しい量子干渉効果であることが判明した。また、同様の現象は他のモット絶縁体では観測されないため、α-RuCl3に特有の励起と関係していることが強く示唆される。すなわち、キタエフ量子スピン液体における分数励起であるマヨラナ粒子と関連している可能性がある。 非常に興味深いことに、この物質ではトンネル電流の雑音が非常に大きいことを測定中に見出した。まったく同じ装置の構成を用いて、基板のグラファイトや銅の単結晶を測定すると、雑音の大きさは少なくとも1桁程度α-RuCl3で大きい。そのため、この雑音は外来雑音ではなく物質由来の本質的なものである。この大きな雑音の起源と量子スピン液体としての特性の関係を解明することが今後の目標である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の開発計画とは異なるが、トンネル電流の雑音を計測することで新しい量子状態の特性を明らかにするという研究の大目標に向かって着実な進展がある。
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Strategy for Future Research Activity |
α-RuCl3における大きな雑音の周波数特定を明らかにする。そのために、広帯域電流アンプを用いた測定を行う。また、雑音の空間分布を明らかにする測定手法を開発し、既に見つかっている欠陥周囲での量子干渉効果と雑音の関係を解明する。
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