Project/Area Number |
23K17671
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 13:Condensed matter physics and related fields
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒田 健太 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (00774001)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 光電効果 / 超高速 / スピン軌道結合 / 光電子分光 / 電子構造 / 超高速ダイナミクス / レーザー |
Outline of Research at the Start |
アト秒に到達した極短パルスレーザー技術により,光電子放出過程における電子分極,電子散乱や電子波束形成など超高速量子現象が実験的に追跡できるようになってきた。しかし,アト秒の極短パルス性は,必然的に広いスペクトル幅を持つことを意味しており,電子バンド構造まで分解しながらアト秒スケールの光電子ダイナミクスを追跡することは不可能だとされてきた。本研究の挑戦は,極短パルスを利用する従来の発想に捉われない時間領域への新たなアプローチによって,この常識を打ち破ることである。これを実現する時間領域へアプローチする新たな手法として「位相分解光電子分光」を完成させる。
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Outline of Annual Research Achievements |
アト秒に到達した極短パルスレーザー技術により,光電子放出過程における電子分極,電子散乱や電子波束形成など超高速量子現象が実験的に追跡できるようになってきた。しかし,アト秒の極短パルス性は,必然的に広いスペクトル幅を持つことを意味しており,電子バンド構造まで分解しながらアト秒スケールの光電子ダイナミクスを追跡することは不可能だとされてきた。本研究の挑戦は,極短パルスを利用する従来の発想に捉われない時間領域への新たなアプローチによって,この常識を打ち破ることである。これを実現する時間領域へアプローチする新たな手法として「位相分解光電子分光」を完成させる。この目的達成のために本年度では,広島大学放射光科学研究所で開発された紫外光 6-eV レーザー・スピン角度分解光電子分光 (Spin-ARPES) の装置改良およびこの装置を利用した位相分解光電子分光測定を行った。具体的には,① 本測定で利用する光学系の構築するため大型の光学テーブルを購入し導入した。②そのため,精密に空調管理されたレーザーブースの拡大を行い,本測定の環境を整備した。③位相分解光電子分光で必要な偏光制御からスピン分解測定まで膨大なデータ点を得るために,自動制御ソフトウェアを整備した。これら環境整備の結果,Bi2Te3 および Bi2Se3 などトポロジカル絶縁体のスピン偏極表面状態において位相分解光電子分光を実施できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,光学テーブルの導入を行って環境を整備した結果,幾つかの物質で位相分解光電子分光の実施まで行えるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度,大型の光学テーブルの導入など測定環境を整備した結果,幾つかの物質で位相分解光電子分光を実施できるようになった。次年度では,Bi2Te3 および Bi2Se3 におけるスピン偏極表面状態に注目して,放出されたスピン偏極光電子の偏光依存性を詳細調べ,光電子位相を精密に決定する。この位相の波数依存性から,光電子放出過程の散乱ダイナミクスの時間スケールの獲得を狙う。
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