Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
本研究の最終目標は、K→πμν崩壊(Kμ3)で生成するミュオンの崩壊面に垂直なスピン偏極成分(PT)を見出すことで、時間反転不変性の破れを発見することである。従来の実験方法では、ミュオンの運動量を磁気スペクトロメータで分析し、その後に金属中に静止させ偏極度を測るのが常識であった。しかし、装置の立体角や観測可能な運動量領域が小さくなる弱点があり、これを克服するために、ミュオンの偏極度をカロリーメータで測定する新しい方法を考案した。本研究では、実際に幾つかのシンチレーション検出器に偏極ミュオンを打ち込み、その偏極緩和時間を測定することで実験手法の有効性を確認する。