Project/Area Number |
23K17723
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 18:Mechanics of materials, production engineering, design engineering, and related fields
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中島 雄太 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70574341)
|
Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
|
Keywords | ゲルマイクロマシニング / 細胞形態設計 / 分化誘導 / シングルセル / 細胞パターン |
Outline of Research at the Start |
本研究では、各種細胞がその役割に応じて持つ固有の形態を指標とし、幹細胞などの形態を設計・制御することで、細胞の分化・機能発現を誘導する技術の実現に挑戦する。現在は、転写因子や分化誘導因子などの高額な試薬を用いて細胞集団を一括に操作する手法が主流であるが、分化誘導後の細胞の不均一性により腫瘍化する課題がある。本研究では、申請者が独自に開発したゲルマイクロマシニング技術を用いてシングルセルサイズのパターンを形成することで、一つ一つの細胞形態を直接的に制御し分化誘導する手法を実現する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
再生医療は細胞の老化が原因の疾患や自然治癒の難しい疾患の根治治療に途を開くものであり、日本のみならず世界中で期待される課題の一つである。本課題では、各種細胞の形態に着目し、シングルセルレベルで形態を設計し制御することで、細胞分化誘導技術を実現することを目的とする。本年度は、シングルセルレベルの形態設計が可能な技術の構築を構築した。具体的には、半導体加工技術のエッチングやリフトオフなどのプロセスをゲル材料の加工用に応用することにより1辺が5~20μmのゲルパターンの製作に成功した。製作したパターン上で細胞を培養することにより、ゲルパターンに沿った細胞形態を形成できることを明らかにした。また、幅の異なるライン状のパターンにて細胞を培養した場合、ラインに沿って細胞が形態を伸長させることがわかり、幅の大きさに依存して細胞形態が変化することを明らかにした。このように形態制御を行った骨芽細胞からDNAを抽出し、定量PCRを行い骨分化の傾向を評価した結果、形態に応じて分化の初期、中期、後期に発現する遺伝子の傾向が異なることを実証し、形態を設計・制御することにより分化を誘導できることを示唆した。また、これらの形態を制御された細胞のアクチンフィラメントを蛍光試薬で染色し、蛍光観察を行った結果、各種形状に応じてアクチンフィラメントの配向形態の特徴があることも明らかにし、アクチンフィラメントの形状と分化誘導との間に関係性がある可能性を示した。今後は、実験回数を増やして得られた実験結果の信頼性を向上させると共に、複数種類の細胞種への分化誘導について挑戦する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、シングルセルレベルでの細胞形態を制御するゲルマイクロマシニング技術を開発しており、実際に細胞を培養することで、シングルセルの細胞形態設計と制御が可能であることを示した。また、定量PCRを用いた評価においても細胞形態の制御により分化を誘導できる可能性を示した。上記の通り当初の計画を着実に実行しており、次年度も計画に沿った研究推進が可能である。これらのことから、今年度の達成度はおおむね順調であると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度も継続して細胞の形状設計と制御を行う実験を進め、形状と分化・機能発現との相関関係を検討する。また、細胞種を増やした検証や幹細胞を用いた検証を実施する。これらの検証に関する実験方法はこれまでの実験を踏襲するため、実施すれば必ず結果は得られる。また、本年度に得られた成果に追加して、ウェスタンブロッティングやELISAなどを用いて発現するたんぱく質の解析を行うことにより、細胞形態と発現する遺伝子、発現するたんぱく質との詳細を明らかにする。また、間葉系幹細胞(MSC)の分化誘導を実証する。具体的には、MSCは分化誘導因子を用いることによって軟骨細胞や筋細胞、線維芽細胞、星状細胞、脂肪細胞、骨細胞など多種類の終末分化細胞に分化し機能発現することが知られている。これらの細胞の形態を模倣したパターン上で個々の細胞の形態を設計し制御することにより、細胞の分化誘導ができることを実証する。
|