Project/Area Number |
23K17745
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 21:Electrical and electronic engineering and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴山 茂久 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (00774126)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | ゲルマニウムスズ / 偏析 / ナノシート / スズ / アルミニウム-スズ共晶 |
Outline of Research at the Start |
スズの二次元結晶であるα-Snナノシート(Sn-NS)は、極めて大きな量子スピンホール効果故にトポロジカル絶縁体・超伝導体になり得るが、Sn-NS等の14族NSでは、大気曝露に伴う酸化による構造破壊が研究推進の課題である。本研究では、申請者のGeSn(111)結晶成長技術と、Al-Ge共晶を媒介とした拡散・偏析による大気安定なGe-NS合成の先例を発展・融合し、Al/GeSn(111)構造からAl-Sn共晶を媒介としたSn-NS合成に挑戦する。大気中安定なSn-NS合成技術確立により、Sn-NSの物性評価は勿論、トポロジカル絶縁体としての卓越した電子物性を活かしたデバイス応用も検討可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
Al/GeSn積層構造からのGeSnナノシート合成に向けて、Sn組成約8%のGeSnエピタキシャル層/Ge(111)構造を準備し、Alの成長・GeSn偏析可能性について検討した結果、 (1)Al/Geのケースと同様、高温での真空蒸着により、GeSn上へのAlのエピタキシャル成長が可能なこと (2)熱処理でAl上へのGeおよびSnの表面偏析を誘起でき、GeSn偏析層はAl酸化物で被覆された構造を形成していること、即ち、大気中で安定な形でのGeSn偏析層の形成が可能なこと (3)GeSn偏析層中のSn組成の増大には、Al-Snの共晶温度よりも高温での熱処理の方が有効であることが明らかになった。一方、断面構造分析から、GeSn偏析層は非晶質の可能性が高いなど、Al/Geのケースでは見られなかったGeSn特有の新たに解決すべき課題が分かってきた。今後は、この課題解決に向けた研究を展開していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度の段階で、本研究提案の核であった、Al酸化物で被覆された大気中で安定なGeSn偏析層の形成が可能であることを実証できた。今後、GeSn偏析層の結晶品質改善、更なる高Sn組成化といった課題はあるものの、研究コンセプトを実証できたという点で、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、GeSn偏析層の結晶品質向上に向けて、その下地となるAl層の結晶品質向上に取り組む。断面構造観察から、Al/GeSn界面には、GeSn酸化物が残留していることが確認できており、これがAl層の結晶品質劣化を招いていると考えられる。そこで、Al堆積前のGeSn表面処理技術の精錬化に取り組む予定である。 また、偏析源となるGeSnエピタキシャル層中のSn組成が、GeSn偏析層に取り込まれるSn組成に与える影響も系統的に明らかにしていく予定である。
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