Project/Area Number |
23K17756
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 21:Electrical and electronic engineering and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 俊顕 東北大学, 工学研究科, 准教授 (20502082)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | TMD / ヤヌスTMD / 光触媒 / プラズマ / ダイポール |
Outline of Research at the Start |
近年2次元材料である遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)において、片面のカルコゲン元素を別の元素に原子置換したヤヌスTMDが大きな注目を集めている。面直方向のダイポールが発現することが予測されているヤヌスTMDは、様々な特異な物性が理論的に予測されているが、高品質なヤヌスTMDを合成することが困難なため実験研究はほとんど進展していないのが現状である。特に、水分解光触媒作用が爆発的に増大することが理論的に予測されているが、実験的には実証されていない。そこで本研究では、独自の手法により高品質なヤヌスTMDを創製し、その光触媒作用の実証を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高品質ヤヌスTMDの創製と光触媒作用実証の目的のもと、三ヵ年計画に基づき遂行するものである。初年度に当たる今年度は当初計画に従い研究を行い以下の成果を得た。 第一に、ヤヌスTMDの創製と高品質化に関して取り組んだ。高品質ヤヌスTMDを創製するには、欠陥導入無しで1原子層のみを原子置換する究極の原子置換技術の開発が必須である。そこで、これまで我々が開発してきた原子層材料へのマイルドプラズマプロセスを発展させることで、高品質ヤヌスTMDの創製を目指し実験を行った。その結果、ヤヌス化反応装置に観測窓を設置し、反応過程を蛍光(PL)スペクトルの変化としてリアルタイムに直接観測可能な“その場観測プラズマ原子置換装置”の開発に成功した。さらに、同装置を用いてヤヌス化条件であるプラズマ生成電力、圧力、基板設置位置等を精密に最適化した結果、欠陥密度の極めて少ないヤヌスTMDの創成に成功した。 第二に、ヤヌスTMDの詳細構造解析に取り組んだ。合成した高品質ヤヌスTMDに対して、走査型透過型電子顕微鏡(STEM)によるヤヌス置換割合と欠陥密度に関する精密計測を行った。その結果、極めて広範囲かつ均一にヤヌス化反応が進行していることを確認した。さらに、欠陥密度に関しては、ヤヌス化前の剥離WSe2とほぼ同程度であることが明らかとなり、欠陥密度の極めて低い高品質ヤヌスTMDが形成されていることを確認した。 これらの成果は今後の光触媒計測に向けて重要な成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光触媒応用のための高品質ヤヌスTMDの創成を目指して研究を行い、その場観測プラズマ原子置換装置を活用することで、高品質ヤヌスTMDの合成を実現した。以上の結果から、当初計画に従っておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に高品質ヤヌスTMDの創成が実現できたことから、次年度以降では光触媒機能の計測を開始する。その際、結晶品質と触媒作用の比較を行うために、初年度開発に成功したその場観測プラズマ装置を活用して、欠陥密度を制御したヤヌスTMDを創製する技術が重要となる。本課題に対して、今後重点的に取り組む予定である。
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