Project/Area Number |
23K17773
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 22:Civil engineering and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中道 治久 京都大学, 防災研究所, 准教授 (00420373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江本 賢太郎 九州大学, 理学研究院, 准教授 (80707597)
田口 貴美子 東北大学, 理学研究科, 助教 (80965335)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 光ファイバー / 土石流 / 分散型音響計測 / 桜島火山 / 火砕物 / 分散型音響計測システム / 地震観測 |
Outline of Research at the Start |
光ファイバーと分散型音響計測システム(DAS)を用いて桜島の火山性土石流の検知し、土石流の速度を決定することを目的とする。土石流の検知はワイヤーセンサーとカメラにて行われ、前者であればワイヤー破損が生じ、後者であれば夜間や悪天候時の土石流の見逃しがある。本研究で提案する手法は土石流に伴う振動を観測するため、直接的な土石流の影響を受けず、天候に左右されずに土石流検知が可能である。本研究が成功すれば、砂防施設の土石流の流下方向に延長している光ファイバーに適用可能であるため、火山以外の土石流への適用といった発展性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
土石流の監視にはワイヤーセンサーと監視カメラが用いられている。ワイヤーセンサーは土石流を検知した瞬間に切断される。監視カメラは悪天候時に土石流の視認が困難になる。土石流監視のデータは光ファイバーにて伝送されているが,使用されていない光ファイバーが存在する。近年、地震観測に光ファイバーを使ったDistributed Acoustic Sensing (DAS)が活用されている。そこで、桜島の砂防施設の光ファイバーを活用したDAS観測から、火山灰堆積物が降雨によって流動することで発生する土石流の流下速度を計測することを目的とする。本年度は野尻川でのDAS観測により得られた2022年11月の土石流による振動波形について、卓越周波数と継続時間を調べた。また、振動振幅の空間分布に基づき振動源位置の推定を行ったところ、土石流が流下する様子が捉えられ、振動源位置から求めた到達時刻は監視カメラで認識した到達時刻とおおよそ一致した。そして到達時刻の差から、堰堤間での土石流流下速度を求めることができた。DASで計測される歪は、地面と光ファイバーケーブルのカップリングの影響を強く受ける。土石流の規模を正確に推定するためには、カップリングの影響を取り除き、DASの歪の絶対振幅を補正する必要がある。2023年11月から12月に桜島の野尻川沿いのケーブルを用いて行ったDAS観測時に、3成分地震計を直線上に3個設置し、地震計から求めた歪とDAS記録の比較を行った。計測場所のわずかな違いにより、両者の波形は完全に一致しないが、おおよその位相は揃っており、地震計の並行観測により、DAS出力の歪振幅の補正を行えることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年11月に行った光ファイバーによるDAS観測にて土石流に伴う振動が観測され、振動の解析が進んだから。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には野尻川に加え、土石流発生頻度が高い有村川にてDAS観測を行う。土石流発生頻度が高い梅雨期の6月と7月に観測を行い、2022年に発生した土石流に伴う地盤振動波形と同様の解析を行うほか、監視カメラ映像との比較も行う。映像との比較からは流量の少ない土石流の検知に適用できる地盤振動波形の振幅や卓越周波数などの特徴量を抽出し、河川同士や同じ河川での複数土石流の流下速度の比較からは土石流の発生・流下・停止過程に関する考察を行う。また、2023年観測と同様に野尻川沿いに3個の地震計を直線上に設置し、歪を計測する。2023年観測で確認された測定場所のわずかな違いによる影響を軽減するため、地震計の間隔をやや長くし、高サンプリング周波数で記録する。そして、DASの数チャンネルをスタックした歪を比較することで、より確度の高い振幅の補正を行う。
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