Project/Area Number |
23K17788
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 23:Architecture, building engineering, and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柏 尚稔 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (40550132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 博人 国立研究開発法人建築研究所, 国際地震工学センター, 主任研究員 (80713007)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 建築構造 / 基礎構造 / 宇宙開発 / レゴリス / 遠心載荷実験 |
Outline of Research at the Start |
近年、研究開発の最先端として焦点が当たっている月面の技術開発に関して、建築工学分野は月面上の建築による「月の利用可能性」の拡大に貢献できる。月面上の建築技術には地球上で蓄積された知見を活用することになるが、地球上と月面上の環境の違いを如何に考慮するかが重要な課題となる。本研究課題では、様々な月面の建築技術課題のうち、月面上における地盤の建物支持機構と支持性能の解明に取り組む。特に、地球上と月面上の重力差を適切に考慮した既往の技術的知見の適用方法を実証実験と詳細解析により検討し、新しい技術開発領域を開拓する。
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Outline of Annual Research Achievements |
1960年代のアポロ計画以来、宇宙関係の技術は目覚ましい発展を遂げているが、近年、月面の技術開発に再び焦点が当たっている。月面の技術開発に関して、建築工学分野の貢献は月面上の建築による「月の利用可能性」を拡大することにある。月面上の建築技術には地球上で蓄積された知見を活用することになるが、地球上と月面上の環境の違いを如何に考慮するかが重要な課題となる。本研究課題では、建築工学の新たな展開と発展を狙って実現が近付きつつある月面開発に焦点を当て、月面上における建築技術の確立に資する知見を蓄積することを目的とした実験・解析研究を実施する。具体的には、建築計画に不可欠な月面地盤での建築可能性を検討するため、地球上と月面上の重力の差異を再現可能な遠心載荷装置を用いた模型実験およびシミュレーション解析により、既往の建築基礎地盤工学の知見の適用性を検証する。2023年度の成果は次の通りである。 ・模型実験実施のための遠心載荷実験用載荷装置や計測機器を準備するとともに、具体的な模型実験の計画を立案し、試験体の試作、研究全体の基盤となる試しの実験を実施した。特に、模型地盤上の基礎に対して水平および鉛直方向に静的な荷重を載荷可能かどうかについて検証した。その結果、遠心場において、模型地盤に対して想定通りの載荷が可能であることを示した。 ・解析法を整理するとともに、3次元非線形有限要素法に適用する解析モデル作成した。その結果、所定の静的載荷実験について基礎に対する地盤抵抗を有意に評価できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、地球上と月面上の重力差を適切に考慮した既往の技術的知見の適用方法を検討するに当たって、遠心場の模型実験による実験的検証と、詳細な解析によるメカニズムの検証の2段階で、研究活動を実施する。 実験的検討では、小型の遠心載荷装置を用いた模型実験を実施する。大阪大学所有の直径1.5mの小型遠心載荷装置に模型地盤および模型基礎を設置した固定土槽を搭載し、固定土槽を装置で振り回すことによって遠心力を作用させ、模型基礎に対する模型地盤の支持力を確認する。2023年度には、模型実験実施のための遠心載荷実験用載荷装置や計測機器を準備するとともに、具体的な模型実験の計画を立案し、試験体の試作、研究全体の基盤となる試しの実験を実施した。特に、模型地盤上の基礎に対して水平および鉛直方向に静的な荷重を載荷可能かどうかについて検証した。その結果、遠心場において、模型地盤に対して想定通りの載荷が可能であることを示した。 また、実験結果を深く理解するために、詳細解析の部類に含まれる3次元有限要素解析を実施する。地盤の材料構成則には地盤の変形を追跡可能な弾塑性体を適用し、実験で得られた現象を評価可能な解析モデルを構築し、パラメトリックスタディの基盤を作る。各年度で実施された実験に対するシミュレーション解析を基本とし、2023年度には、解析法を整理するとともに、3次元非線形有限要素法に適用する解析モデル作成した。その結果、所定の静的載荷実験について基礎に対する地盤抵抗を有意に評価できることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は以下のA)、B)を実施する予定である。 A) 今年度の実験では、遠心載荷装置を本格稼働させ、模型実験を系統的に実施する。実験では、載荷する遠心力として地球上と月面上の2パターンを実施し、模型地盤の支持力を比較することで、月面上特有の課題を抽出する。模型地盤には月面土を模擬した月シミュラントもしくは月面土と粒度分布を整合させた模擬土を用いる。基礎としては、直接基礎や埋込基礎の基礎幅もしくは埋込み量等をパラメータとした系統的な実験を実施し、地球上と月面上での地盤基礎工学の差異を分析する。 B) 実験に対するシミュレーション解析について、3次元有限要素解析による系統的な解析的検討を実施する。地盤の材料構成則には地盤の変形を追跡可能な弾塑性体を適用し、実験で得られた現象を評価可能な解析モデルを構築し、パラメトリックスタディの基盤を作り、月面建設の技術的検討に資する解析手法を取りまとめる。
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