変形双晶を有効活用した革新的な方法によるマグネシウム合金板のプレス成形性の向上
Project/Area Number |
23K17833
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 26:Materials engineering and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜 孝之 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10386633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 大貴 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 特任講師 (80800573)
内田 壮平 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主任研究員 (70736305)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | マグネシウム合金 / 双晶変形 / プレス加工 / 結晶塑性有限要素法 |
Outline of Research at the Start |
地球環境問題に起因する輸送機器軽量化への要求から,マグネシウム合金の構造部材への適用拡大が期待されている.一方で,マグネシウム合金は室温プレス加工性が非常に乏しいことが課題である.本研究では,マグネシウム合金において特徴的な変形モードである双晶の活動を有効活用した新しいプレス加工法を提案し,マグネシウム合金板の室温プレス加工性の向上を目指す.実現すれば学術的かつ実用的に大きな進展が期待される.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の実施内容と得られた成果を以下に示す. (1)基準として用いるZX10マグネシウム合金板(以下,基準材)を用いて,室温円筒絞り成形実験を行った.その結果,圧延方向と圧延直角方向では成形品高さに著しい違いが生じることが明らかとなった.また,圧延方向と圧延直角方向では結晶方位発展が大きく異なることも見出した. (2)結晶塑性モデルにより,基準材のモデル化を試みた.その結果,一軸引張および一軸圧縮変形時の応力―ひずみ曲線における面内異方性を良好に再現できた.また,このモデルを有限要素法に組み込むことで(1)で示した円筒深絞り成形過程について解析を行った.その結果,成形品高さ分布や板厚ひずみ分布,結晶方位発展を良好に再現することに成功した.さらに,解析結果に基づいて円筒深絞り成形で生じる異方変形挙動について考察したところ,圧延方向と圧延直角方向での成形高さの違いには双晶活動の違いが大きく影響していることが明らかとなった.このことより,基準材の絞り変形における双晶活動の影響を定性的に明らかにすることができ,双晶活動を利用した絞り成形性向上に向けた指針を得た. (3)異なる集合組織を持つZX10マグネシウム合金板の創製を行った.圧延条件を種々に変更することで,基準材に比べて圧延直角方向への方位分布が抑制された材料,純チタン板と同様に板厚方向から圧延直角方向へ傾いた方位に強く配向する材料,また板厚方向を中心としたドーナツ状の方位分布を持つ材料など,計6種類の素材を創製した.この中から,材料間で機械的特性や双晶活動度,室温プレス加工性に大きな違いが生じると考えられる3材種程度を選び,次年度以降にプレス加工に適した方位分布に関する検討を実施する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実施計画どおり,異なる集合組織を持つマグネシウム合金板の創製や,円筒深絞り加工の結晶塑性有限要素法解析の実施,またそれによる変形メカニズムの検討を実施した.以上より,おおむね順調に進展していると評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の成果を踏まえた2024年度の研究計画を示す. (1)2023年度に創製した新しいZX10マグネシウム合金板の各種材料試験を実施し,集合組織と塑性変形特性の関係を明らかにする.具体的には,一軸引張試験のほか,一軸圧縮試験,反転負荷試験,単純せん断試験,また引張および圧縮変形時のひずみ比発展などを調査する.なお反転負荷試験では,引張後の反転と圧縮後の反転では加工硬化特性が著しく異なる可能性が大きいため,両方のパターンで調査する予定である.また,先行研究においてひずみ比発展には双晶活動が大きく影響することが報告されていることから,この調査を通して双晶活動と変形特性の関連を考察する. (2)これら材料を用いて円筒深絞り加工を行い,絞り加工に適した集合組織を検討する.また,得られた結果と基準材の結果を比較することにより,基準材の絞り加工で得られた知見が異なる集合組織材でも成り立つか検討する.基準材に比べて絞り比(成形品の直径に対する円形試験片の直径の比)を大きくできる可能性があるため,まずは限界絞り比を調査し,適切な円形試験片直径を決定する. (3)プレス加工に供する前の板材に対して予変形を与えることで,双晶形成を促進させる方法を検討する.まずは,しわ押さえと下型により板厚方向へ圧縮変形を与える具体的な方法を検討する.ただし,適切な予変形条件は板材の集合組織によっても異なることが考えられる.そこで,上述の方法に限らず対象とする板材に適した予変形条件を模索する.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)