Project/Area Number |
23K17839
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 27:Chemical engineering and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長尾 大輔 東北大学, 工学研究科, 教授 (50374963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 花奈子 東北大学, 工学研究科, 助教 (30847249)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 粒子形状 / エントロピー駆動 / 資源循環 / 集積 / 再分散 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ケミカルリサイクルのように分子レベルまで分解することなく、分解によって生じる最小ユニットを微粒子にとどめて再利用する、高分子材料を対象とした新しい資源循環システムを構築する。微粒子を集積させる場合には、微粒子形状に強く依存したエントロピー駆動の微粒子集積プロセスを活用する。一方、再分散させる場合には、構成する微粒子の体積相転移現象なども活用しながら、超音波照射等の簡便プロセスで微粒子を解きほぐすプロセスを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
微粒子分散系のエントロピー変化を利用して、粒子の凝集・分散を制御する上で重要となる粒子表面の凹凸形状を変えるプロセスについて初年度は主に調べた。凹凸形状を制御するための成分として有機ポリマーに着目し、窒素原子含有ポリマーを選定した。また凹凸形状を制御するための手法としては、ポリマー溶解度の相違に基づく再沈法を利用した。窒素原子含有ポリマーを良好に溶かす溶媒と、逆に同ポリマーを溶かす能力の低い溶媒を任意の組成比で混ぜた混合溶媒を使って、水溶液中における有機ポリマーの微粒化プロセスを検討した。その結果、窒素原子含有ポリマーの微粒化には、窒素原子含有ポリマー溶液の撹拌速度が強く影響を及ぼすことを明らかにした。 この知見をもとに次に、異種粒子間にはたらく静電相互作用に基づく静電ヘテロ凝集を利用して、平滑な粒子表面を有するシリカ粒子への窒素原子含有ポリマーシェル形成プロセスを検討した。シリカ粒子に対する窒素原子含有ポリマー量を変えて、種々の条件で静電ヘテロ凝集を遂行したところ、静電ヘテロ凝集で得られた窒素含有ポリマー被覆シリカ粒子は、ポリマーで被覆していない球状シリカ粒子に比べ、優れた光熱変換能を有することを実証した。以上の結果より、球状粒子を完全に厚いポリマーシェルで被覆するのではなく、ポリマーシェルの厚みを適切に制御しながら、かつシェル被覆によって生じる凹凸形状も合わせて制御することで、水溶液中での分散状態を確保しながら、特定の機能を球状粒子に与えられる可能性を明らかにできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ポリマーシェル形成のプロセス開発に必要となる有機ドラフトを設置している建物の改修工事の工期が、当初計画に反して大幅延長されたため、安全を十分に担保できる研究環境設備を使ってポリマーシェル形成プロセスを開発できる時間に大きな制約が生じ、当初立てた計画で分散・凝集制御に必要な微粒子合成実験を十分に進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
凹凸形状を制御できる粒子表面改質プロセスを検討するとともに、表面凹凸形状が制御された粒子の集積プロセスも合わせて検討する。液中における粒子の凝集・分散制御に向けては、粒子表面の凹凸形状の相違を利用する、すなわち幾何的な形状のみを考慮するだけでは不十分であり、凹部と凸部の化学組成をそれぞれ変えることが有効である。そこで表面凹凸粒子の凹み部分を選択的に表面改質するためのプロセス開発にも取り組む。 表面凹凸粒子を集積させるプロセスについては、凹部の化学組成が凸部と異なる表面凹凸粒子が集まる過程と、凹部と凸部の表面化学組成が同じ凹凸粒子が集まる過程を、それぞれ光学顕微鏡(あるいは共焦点顕微鏡)で観察する。両粒子の集積過程ならびに集積後の構造が維持される時間を比較することで、粒子表面の凹凸形状が粒子凝集・分散制御性に与える影響を検討する。
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