Project/Area Number |
23K17866
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 28:Nano/micro science and related fields
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
土肥 徹次 中央大学, 理工学部, 教授 (20447436)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 生体計測MRI / MEMS / マイクロコイル / MRI / 勾配磁場コイル |
Outline of Research at the Start |
本研究では、微小生体の発生の過程を、生きたままの状態で、3次元的かつ経時的に観察可能とするため、μmオーダの空間分解能を持つ微小生体計測用MRIシステムを実現する。そのため、高感度なマイクロRFコイルと高効率勾配磁場マイクロコイルを試作し、さらに、計測対象を長時間保持なマイクロ灌流システムとMRI対応の内視鏡を統合し、MRI画像とRGB画像を同時計測できるシステムを構築する。試作システムにより、イベリアトゲイモリの発生過程のMRI画像とRGB画像の同時計測を行い、どの程度の空間分解能・時間分解能で計測できるかを明らかにすることで、その有用性を示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は微小生体計測用MRIシステムの構成要素として、高精度な勾配磁場マイクロコイルの研究と、マイクロ灌流システムの研究を中心に進めた。勾配磁場マイクロコイルの研究では、厚膜レジストであるSU-8フォトレジストと3Dプリンタにより出力された冶具を使用した位置合わせ機構により、従来よりも高い組立精度を実現し、微小試料のMRI画像計測において、従来よりも高分解能な画像計測取得を試みた。特に、マイクロコイルの位置精度の向上により勾配磁場の線形領域をより確実に確保できるため、より正確な画像が得られるようになった。また、マイクロ灌流システムの研究においては、シリコーンゴムで作られた流路とマイクロコイルを一体化したデバイスを試作し、灌流しながら画像計測を行うシステムの実現を進めた。マイクロ灌流システムとしては、PDMSと呼ばれるシリコーンゴム内に計測対象を補足可能なトラップ機構を組み込んだマイクロ流路を作成し、その構造体であるシリコーンゴム内にMRI信号を計測可能な手巻きコイルも組み込むマイクロ灌流システムに着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、①微小生体計測用の高感度なマイクロRFコイルと②高効率勾配磁場マイクロコイルを試作し、③マイクロ灌流システムとMRI対応の内視鏡を統合し、微小生体計測用MRIシステムを構築する。④MRI画像とRGB画像の同時計測により試作システムの評価を行う、4つの課題を設定している。2023年度はそのうち②と③の課題に関連した研究を中心に進めており、同時に①に関する要素研究も実施した。その中でも、勾配磁場マイクロコイルの研究では、SU-8厚膜レジストと3次元冶具による位置合わせ機構をもつ勾配磁場マイクロコイルを試作し、手巻き勾配磁場コイルと比べ最大で94.1%の位置精度の向上を実現した。また、勾配磁場効率はX, Y, Z軸でそれぞれ、82.2、103.7、92.5 mT/m/AとMRI装置に内蔵されたものより約16.5倍の性能向上を実現し、さらに格子状ファントムの画像計測結果より、歪みの少ない画像計測ができることを示した。これらの実験結果より、勾配磁場コイルの小型化により線形領域が狭くなってしまう課題を克服しつつ、勾配磁場強度の向上を実験的に示した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策として、2023年度にあまり進めることのできなかった①微小生体計測用の高感度なマイクロRFコイル、および、③マイクロ灌流システムとMRI対応の内視鏡の統合による微小生体計測用MRIシステムの構築に力をいれて研究を進めていく予定である。①微小生体計測用の高感度なマイクロRFコイルの研究課題においては、マイクロ灌流システム内でも高感度に計測できるマイクロRFコイルの研究に取り組むことを想定している。従来、マイクロ灌流機構とマイクロRFコイルは別々に試作して最後に組み合わせる方法が主流であったが、この方法では計測対象に対して大型のRFコイルしか使用できず、高感度化が困難であった。そのため、マイクロ灌流機構とマイクロRFコイルを同時に組み立てる手法、特に平面型マイクロコイルとPDMSによる流路作成を同時に行う手法などを中心に、試作方法やシステム構成の検討を進める予定である。また、微小生体計測用MRIシステムの構築に際しては、MRI対応の内視鏡を購入し、MRI対応内視鏡とマイクロ灌流機構を統合して、MRI画像計測と内視鏡画像計測の同時計測について研究を進める予定である。
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