Characterization of X-ray free electron laser pulses using spectral phase interferometry
Project/Area Number |
23K17889
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 30:Applied physics and engineering and related fields
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
藤 貴夫 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20313207)
|
Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | パルス評価 / 自由電子レーザー / スペクトル位相干渉法 |
Outline of Research at the Start |
フェムト秒程度の幅を持ったX線自由電子レーザ(XFEL)パルスによって、化学反応過程の解明やX線による損傷のないタンパク質の結晶構造解析などの研究が行われているが、世界中にあるXFEL施設において、パルス評価法の開発は長年に渡って重要な課題となっている。本研究では、スペクトル位相干渉法(SPIDER)を用いて、XFELパルスの評価を行うことを提案している。これまでの方法と比べてはるかに簡便な光学系でXFELパルス波形計測ができる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
藤貴夫 SPIDER法による放射光電場波形計測 自然科学研究機構先端光科学研究分野プロジェクト研究会 2023年11月17日 岡崎 本研究で提案しているSPIDER法を発表した。放射光施設関係の研究者が集まった研究会であり、様々な日本と海外の施設で本手法を利用を検討した。特に、本手法の信頼性を高めることが重要であり、今後、高次光も含めた波形計測と、チャープした波形を測定することが有効であることで意見が一致した。これらの計測のためのマシンタイムを調整し、高次光の計測を1月と5月に行うことを決めた。
Takao Fuji Sub-cycle mid-infrared pulse: generation and applications Frontiers of ultrafast science: From fundamentals to applications, Munich Germany, February 22, 2024 マックスプランク量子光学研究所Krausz教授2023年ノーベル物理学賞受賞記念アルムナイシンポジウムに招待され、講演を行った。極限的に短い中赤外光パルス発生と応用を中心に、藤のこれまで二十数年の研究成果について紹介した。その中で、本研究で提案しているSPIDER法についても紹介した。ノーベル物理学賞の受賞対象となったアト秒パルス発生や計測にも関連するところもあり、本研究の意義について、マックスプランク量子光学研究所、スタンフォード大学やDesyなどの世界的に有名な研究者と意見交換を行うことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書で示した放射光電場の計測法について、2023年2月に論文して発表してから、解説論文と国際会議での発表を行い、様々な意見を伺った。計測法が斬新であるため、手法が本当に有効なのか、疑問に思う研究者も少なからずいることがわかった。特に、11月には、分子科学研究所の研究会で招待講演を行って、放射光施設関係の研究者から様々な意見を聞くことができた。すぐにX線領域へ適用させるのは難しいことがわかり、今後の計測対象の光電場波形について、いくつかの計画を固めることができた。 一つは放射光電場の高次光である。本来、放射光はアト秒パルスを発生させているが、基本波に加えて、3次、5次光など、高次光も含めた広帯域のスペクトル位相を測定できていないため、そのパルス幅を測定できていない。特に、基本波と高次光の位相関係の測定は困難である。本研究で提案しているSPIDER法でその位相関係を測定する条件を考え、1月に分子科学研究所の放射光施設で実験を行った。そのときに、基本波と高次光の位相関係を計算する手法が、これまでの方法ではうまくいかないことがわかった。いろいろと試行錯誤した結果、周波数で等間隔に並んでいるデータについて、周波数の並びを等比数列にして補間し直すことによって、これまでとまったく同じアルゴリズムを使って位相関係を計算できることがわかった。新しい計算手法を基本波のみの波形の再現に利用したところ、以前のデータ解析法よりも理論に近い波形が得られた。 もう一つはチャープさせた放射光電場である。提案手法で正しくチャープを再現できれば、提案手法の正しさを証明できる。アンジュレータを微妙に傾けることでチャープした波形を発生できるが、施設としては大幅な変更となるため、現在、マシンタイムを調整中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは放射光電場の基本波と高次光の位相関係を測定する実験を行う。本来、放射光はアト秒パルスを発生させているが、基本波に加えて、3次、5次光など、高次光も含めた広帯域のスペクトル位相を測定できていないため、そのパルス幅を測定できていない。特に、基本波と高次光の位相関係の測定は困難である。5月25-27日の予定で分子科学研究所の極端紫外光施設について実験を行う予定である。数十eVの極端紫外光によってヘリウムをイオン化し、発生した電子の運動量を測定することで、極端紫外光のスペクトルを測定する。タンデムアンジュレータによって、わずかに波長の異なる光を発生させ、2つの波形の干渉スペクトルを測定することでSPIDERの信号を得るが、基本波と高次光との干渉では、大きく波長をシフトさせる必要がある。その解析では、前年度に考案した等比数列にデータを並べ替えることを行い、基本波と高次光の位相関係を正確に求めることを行う。 チャープさせた放射光電場の計測については、理論計算を進めて、アンジュレータの調整量を算出するとともに、マシンタイムを調整し、今年度中に実験を行う予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)