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フッ素集積内部空間を有する中空型無機構造体の構築と機能

Research Project

Project/Area Number 23K17924
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Medium-sized Section 34:Inorganic/coordination chemistry, analytical chemistry, and related fields
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

小西 克明  北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (80234798)

Project Period (FY) 2023-06-30 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Keywordsフッ素 / 内部空間 / ポリオキソメタレート
Outline of Research at the Start

外界から孤立した空間におかれた物質が「開放系」とは大きく異なる化学的性質、反応性を示すことが広く認知されている。一方、フッ素は周期表中でも最大の電気陰性度を有し、大きい双極子モーメントをもたらす反面、低い分極率のため分散力が弱い。本研究では、中空空間を有するポリアニオン性球状Mo酸化物巨大クラスターを用いて、F原子が集積した内部表面を構築し、外部ゲストの取り込みを基軸としてFリッチな内部空間の本質を解明するとともに、それを基盤として特異な新機能を開拓することを目的とする。

Outline of Annual Research Achievements

フッ素は全元素中で最大の電気陰性度を有するとともに水素に次いでサイズが小さく、周期表中でも特異な存在である。本研究では、[Mo132O372(L)30]42-の構造式をもつ中空型巨大ポリ酸({Mo132})分子を用い、多価アニオン性無機シェル内部に構築された「フッ素リッチなナノ空間」において発現するユニークな特性・ 機能を開拓する。初年度は以下について検討を行った。
1)配位子交換反応による内壁フッ素修飾法の確立:CF3COOH, CF2HCOOH, CFH2COOHなどフッ素含有量が異なるカルボン酸を、カルボキシレート交換反応によって導入するための反応条件の最適化(pH、当量比、温度など)を行い、内壁上に存在する30個のカルボキシレートをほぼ定量的に交換する手法を確立した。
2)水に不溶な有機ゲストの取込みプロトコルの確立と炭化水素ゲスト包接活性の評価:1)で得た各種内壁フッ素修飾の{Mo132}をホストとして用い、水系媒体中で水に不溶な有機ゲストの取込み実験を種々の条件でおこない適切で再現性のあるプロトコルを確立した。この中で、環状アルケンに対して特異的な取込み活性を示すことを見出した。なかでもシクロペンタジエンは、FをHに置換した類似体では全く取込み活性を示さず、パーフルオロ型が特異的に取込み活性を示す。興味深いことに、鎖状アルケンでは非フルオロ置換体とパーフルオロ置換体ではほとんど活性に違いは観察されず、取込み過程でエントロピー項が大きく関与していることが示唆された。また、これらのゲスト取込み実験は水溶液中で行ってきたが、この手法では取りこめないゲストをホストと固相粉砕混合することによって、効率的にゲスト取込みが実現できる場合があることを予備的に見出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでに本研究では、1)配位子交換反応による内壁フッ素修飾法の確立、2)水に不溶な有機ゲストの取込みプロトコルの確立と炭化水素ゲスト包接活性の評価、について検討を行った。1)については、単結晶X線回折, NMR, 赤外分光を用いて生成物の精密同定が可能であることを見出し、効率的な配位子交換反応の条件を確立した。さらに、2)では、水に不溶な疎水性有機ゲストと水に溶解させたホストを二相不均一系で作用させて、再現性良くホスト内部空間にゲストを取り込ませるプロトコルを確立した。本研究は今後、多様なゲストの取込みや内部空間での変換反応に展開するために必須の要素であり、概ね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

1)これまでに確立したプロトコルを用いて、種々のフッ素修飾中空型ポリ酸を設計する。具体的にはこれまでに用いてきたCF3COOHなどに加えてパーフルオロ型カルボキシレート、スルホネート(CF3CF2CO2-, CF3SO3-等)を導入する。
2)中空空間内部に種々取り込まれた分子同士を反応・成長させ、ポルフィリンやAuクラスターなど 機能性ナノ分子を物理的にとじこめたハイブリッド物質を「ship-in-a-bottle合成」し、内部での選択的触媒反応や光駆動型反応へと展開する 。また、ゲスト取り込みに応答したホスト側の電気化学特性の変化を利用したセンサーなどの開発を念頭とした分子設計についても検討する。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Collective Effects of Multiple Fluorine Atoms Causing π‐philic Characteristic within a Caged Polyoxometalate Framework2023

    • Author(s)
      Murata Chinatsu、Nakashuku Akari、Shichibu Yukatsu、Konishi Katsuaki
    • Journal Title

      Chemistry - A European Journal

      Volume: 30 Issue: 4

    • DOI

      10.1002/chem.202302328

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 液相・固相でのカゴ状金属酸化物{Mo132}内部空間へのゲスト捕捉2024

    • Author(s)
      中宿朱里・申栽燮・村田千夏・七分勇勝・小西克明
    • Organizer
      日本化学会 第104春季年会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 中空型ポリ酸ホスト{Mo132}のゲスト捕捉特性と閉じこめ機能2023

    • Author(s)
      中宿朱里・申栽燮・村田千夏・七分勇勝・小西克明
    • Organizer
      第13回CSJ化学フェスタ2023
    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-07-04   Modified: 2024-12-25  

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